緊急経済対策で実質GDP0.7%押し上げ期待

2014年12月29日 09:13

 政府は27日、3.5兆円規模の緊急経済対策を閣議決定した。実質GDP押上げ効果で概ね0.7%程度見込めるとしている。安倍晋三総理は「経済の脆弱な部分にスピード感を持って対応するため、地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策を決定した」と強調。また甘利明経済財政政策担当大臣に来年年央に成長戦略の改定を行うため、検討準備を進めるよう指示した。

 緊急経済対策の具体的内容について安倍総理は「プレミアム付き商品券発行や低所得者に対する灯油の購入助成など、地方の実情に応じた自治体の施策を応援する。原材料高に苦しむ中小・小規模事業者への低利融資制度を創設する」などをあげた。

 また「構造改革を更に進めていく」とし、次期通常国会で「農業、雇用、医療、エネルギーといった分野での規制改革を含め、大胆で思い切った成長戦略関連の法案を提出したい」と労働法制の見直しに改めて強い意欲を覗かせた。また、閣僚に対し「改革内容が後退あるいは骨抜きとなることが決してないように覚悟と決意をもって取り組むよう」指示した。

 対策は「地域の実情に配慮しつつ、消費を喚起する」「仕事づくりなど地方が直面する構造的な課題への実効ある取り組みを通じて地方の活性化を促す」「災害復旧等の緊急対応や復興を加速化する」ことを柱にしている。

 生活者や事業者、エネルギーコスト対策に1.2兆円。地域の産業振興などによる地方の活性化に0.6兆円、災害復旧・災害対応の強化、東日本大震災の被災地の復旧・復興、原子力事故対応の加速化などに1.7兆円を充てた。(編集担当:森高龍二)