【今週、来週の展望】年明けに「暗黒の1月」は繰り返されるのか?

2014年12月28日 20:27

 今週、12月第5週(29~1月2日)は31日が大みそか、1月1日が2015年の元日の祝日、2日が正月3が日で休場し、29日、30日の2日間の取引。30日は一年納めの「大納会」で2014年の取引を終了する。来週、1月第2週(5~9日)は5日間の取引。5日は1年の取引が始まる「大発会」で、この日は「官庁御用始め」でもある。

 世界の株式市場は年末年始の休場日があり、国によって異なるので注意。NY証券取引所、シカゴCME、債券、為替市場は1月1日だけ休場する。日本の年末年始の休場は世界でも異例の長さで、欧米の復活祭や感謝祭やクリスマスの休暇、中国の春節休暇や国慶節休暇を「休み多いですよね」と批判する人は正月返上で仕事するべし。30日はフィリピンが休場、31日はドイツ、韓国、タイ、インドネシアなどが休場、1月1日はアメリカ、英国、ドイツ、中国、韓国、シンガポールなど多くの国が休場になる。2日も中国(上海市場)、スイス、台湾、ロシア、フィリピン、タイ、ニュージーランドなどが休場する。

 国内の経済指標は、1月5日は12月および2014年通年の新車販売台数、百貨店各社の12月の売上速報、12月の国内ユニクロ既存店売上高、8日は12月および2014年通年の輸入車販売台数、12月の東京都心部オフィス空室率、9日は11月の景気動向指数速報値が、それぞれ発表される。

 30日は取引終了後に「大納会」のセレモニーが行われる。特別ゲストはNHKドラマ「マッサン」のヒロイン、エリーを演じる女優のシャーロット・ケイト・フォックスさん。1月1日から所得税と相続税、贈与税の増税が実施される。5日は取引開始前に「大発会」のセレモニーが行われる。特別ゲストは麻生太郎副総理兼財務・金融担当大臣。6日は経団連、経済同友会、日本商工会議所の経済三団体が新春共同記者会見を開く。

 主要企業の決算発表は、年明けから2月期決算企業の3~11月期決算が増えてくる。29日はアダストリアHD<2685>、一六堂<3366>、ヒマラヤ<7514>、30日はシベール<2228>、セキド<9878>、1月5日はサンエー<2659>、ベルク<9974>、6日はハニーズ<2792>、良品計画<7453>、スギHD<7649>、ファミリーマート<8028>、ケーヨー<8168>、丸栄<8245>、イズミ<8273>、7日はABCマート<2670>、CVSベイエリア<2687>、わらべや日洋<2918>、キリン堂HD<3194>、USEN<4842>、マニー<7730>、ヨンドシーHD<8008>、カスミ<8196>、ミニストップ<9946>。

 8日はキューピー<2809>、山下医科器械<3022>、東京個別指導学院<4745>、松屋<8237>、ユニーGHD<8270>、乃村工藝社<9716>、ファーストリテイリング<9983>、9日はディップ<2379>、ローソン<2651>、セブン&アイHD<3382>、薬王堂<3385>、SHIFT<3697>、久光製薬<4530>、日本エンタープライズ<4829>、オーエスジー<6136>、カッパクリエイトHD<7421>、コジマ<7513>、ポプラ<7601>、壱番屋<7630>、シグマ光機<7713>、オンワードHD<8016>、マルエツ<8178>、島忠<8184>、チヨダ<8185>、吉野家HD<9861>が発表する。

 今週、来週の新規IPOはなし。1月5日にジャスダックに上場する日本創発G<7814>は、12月26日に上場廃止になったジャスダックの東京リスマチック<7861>の純粋持株会社なので新規IPOとはみなされない。上場に伴う公募、売出しも行われない。

 海外の経済指標は1月1日の中国PMI、2日のアメリカのISM製造業景気指数、9日のアメリカの雇用統計が重要になる。

 29日はアメリカの12月のダラス連銀製造業活動指数、30日は英国の12月の住宅価格、ユーロ圏の11月のマネーサプライ、アメリカの10月のS&Pケース・シラー住宅価格指数、12月の消費者信頼感指数、31日は中国の12月のHSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)確報値、12月のシカゴ購買部協会景気指数、11月の中古仮契約住宅販売指数。

 1月1日は中国の12月の物流購入連合会の製造業購買担当者景気指数(PMI)、2日はフランス、ドイツ、ユーロ圏の12月の製造業購買担当者景気指数(PMI)確報値、アメリカの12月のマークイット製造業購買担当者景気指数(PMI)確報値、11月の建設支出、12月のISM製造業景況指数、5日はドイツの12月の消費者物価指数(CPI)速報値、アメリカの12月の新車販売台数、6日はオーストラリアの11月の貿易収支、アメリカの12月のISM非製造業景況感指数、11月の製造業受注、7日はユーロ圏の11月の失業率、12月の消費者物価指数(CPI)速報値、アメリカの12月のADP雇用レポート、8日はユーロ圏の11月の小売売上高、9日は中国の12月の消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)、貿易統計、アメリカの雇用統計(非農業部門雇用者数、失業率)が、それぞれ発表される。

 1月1日から旧ソ連・バルト三国のリトアニアが通貨ユーロを導入し、ユーロ圏(欧州経済通貨同盟)は19ヵ国になる。7日は12月16~17日に開催されて声明文に「be patient(辛抱強く)」の文言が入ったFOMCの議事録が発表される。最近のFOMC声明文は日本の外務省が好きそうな〃左岸派気取りの文学的エクリチュール〃のてんこ盛りで、シンプルさ、明快さにはほど遠い。8日はイングランド銀行金融政策委員会の結果が発表される。