週明け29日のNYダウは15ドル安で8日ぶりに小反落し史上最高値更新は4日でストップ。NASDAQ総合指数は0.05ポイントとわずかに上昇した。ギリシャ国会で次期大統領選出の最終投票(第3回)が行われたが、連立与党の候補者は信任に必要な180票を集められず憲法の規定で解散・総選挙が決まった。1月25日投開票。区切りがついてヨーロッパ市場は上昇した。NY市場はクリスマス休暇モードからなかなか再始動できず薄商いで小動き。ギリシャ政局への不安に加え原油先物価格の続落、18000ドルを超えた高値圏警戒感も重しになった。30日朝方の為替レートはドル円が120円台後半、ユーロ円が146円台後半で、前日とほぼ同じ水準。
CME先物清算値は17740円。前日後場の急落を招いたエボラ出血熱騒動は、検査の結果ウィルスは検出されず一件落着。ギリシャも結果が出て重しがとれたはずの日経平均は27.72円安の17702.12円で始まる。TOPIXもマイナスでスタート。「昨日はエボラ、今日はギリシャ」か? 鳥インフルエンザも宮崎県に続き安倍首相の地元、山口県長門市でも発生していた。序盤はプラスには戻れず逆に17700円を割り込む。午前9時台の下落は止まらず17600円も割り込み、9時44分に17571円まで下げる。為替のドル円は120円台後半で変わりなく、TOPIXより日経平均のほうが下落幅が大きい先物仕掛け売り。10時3分には17568円と安値を更新するが25日移動平均の17511円までまだ余裕がある。上海市場も香港市場もマイナスで開始。17600円になかなか定着しない時間帯が続いたが、前引けはようやく17610円で119円安。終値ベースの年初来高値17935円突破は厳しくなったが、後場に「日銀砲」が撃たれてどこまで上がって終われるか?
後場は少し下げて再開し17600円を割り込む。為替のドル円がわずかに円高に振れていた。小動きで17600円をはさんで上下に行ったり来たりという展開。市場参加者も少なく「日銀砲」が撃たれたとしても「土壇場の掉尾の一振」は期待できそうにない。午後1時を回ると17500円台前半まで水準が切り下がり、1時35分に17511円と25日移動平均線上の安値をつけ、12月の騰落プラスも52円しか余裕がなくなり危うくなる。それでも2時前からは17500円台後半まで上昇。しばらくもみあった後、再び下落して今度は2時35分に17509円と25日移動平均線すら割り込んでしまう。ギリシャのせいで年明けのECBの追加緩和が先延ばしになる観測も出て、郵便ポストが赤いのも、みんなギリシャが悪いのか? 終盤にはとうとう17500円も割ってしまい、まさに「午(うま)尻下がり」のボロボロの大納会。大引けは、もうどうにでもしてくれのやけっぱちの安値引けで279.07円安の17450.77円と続落した。日中値幅は263円。TOPIXも-17.16の1407.51で安値引けして続落。売買高は16億株、売買代金は1兆6172億円で最後まで薄商いだった。
2連敗、前週末26日終値から368.19円下落して今週の取引を終了。12月の月間騰落は大納会の最後の1分間でマイナスに転落して9.08円安。それでも2014年の年間騰落は昨年の大納会終値から1159.46円上昇した。大納会セレモニーの特別ゲストはNHKドラマ「マッサン」のヒロイン、エリーを演じている女優のシャーロット・ケイト・フォックスさん。エレガントに打鐘して2014年の東京市場の取引を締めくくった。
東証1部の値上がり銘柄数は461。値下がり銘柄数は1261で全体の67%を占めた。TOPIX33業種別騰落率は2業種が上昇し31業種が下落。プラスのセクターは繊維、空運。マイナスのセクターで下落幅が小さいのは鉱業、石油・石炭、パルプ・紙、ゴム製品など。下落幅が大きいのは精密機器、証券、電気機器、電気・ガス、化学工業、保険など。
日経平均採用225種は値上がり14銘柄、値下がり203銘柄。プラス寄与度1位は東レ<3402>で+1.22円、2位は日本化薬<4272>で+1.06円。マイナス寄与度1~4位にはファーストリテイリング<9983>、KDDI<9433>、ソフトバンク<9984>、ファナック<6954>の順番で「日経平均寄与度四天王」が今年最後の揃い踏みで-76円。〃千秋楽〃ならプラス寄与度のほうで勢揃いしてほしかったところ。
みずほ銀行が「リバースモーゲージ」の対象にマンションを含めて1月13日から取り扱いを始めると報じられた。マンションも対象とするのはメガバンクでは初めて。おそらく担当者は「マンションにはないのか?」という言葉を耳にタコができるぐらい聞いているはず。みずほHD<8411>は0.6円安。三菱東京UFJ銀行は1月5日にタイのバンコク支店と傘下のアユタヤ銀行を統合させ、日系企業約4000社の取引をアユタヤ銀行に移す。三菱UFJ<8306>は3.8円安。三井住友FG<8316>は45.5円安だった。野村HD<8604>は13.7円安、大和証券G<8601>は21.4円安で、証券セクターは業種別騰落率のブービー賞と不振だった。
自動車大手ではトヨタ<7203>は104円安。2014年度の国内販売が、103万台から93万台に下方修正してもなお計画未達に終わりそうだと報じられたホンダ<7267>は74円安。主力車種「フィット」のリコール問題の傷跡は深い。富士重工<7270>は99.5円安、マツダ<7261>は64.5円安、日産<7201>は6円安。日野自動車<7205>は大和証券が目標株価を引き上げても10円安。いすゞ<7202>は3.5円高と逆行高していた。電機大手は、ソニー<6758>は88.5円安、パナソニック<6752>は35円安、シャープ<6753>は3円安、日立<6501>は22.1円安、東芝<6502>は4.5円安、NEC<6701>は2円安、富士通<6702>は0.7円安。