キリン株式会社は9日、2015年日本綜合飲料事業方針を発表した。それによると、日本綜合飲料事業を反転・攻勢に転じ、再成長の軌道にのせる年にするという。
具体的には、フラッグシップブランドである「一番搾り」、「午後の紅茶」、「シャトー・メルシャン」の強化に引き続き重点を置き、中でも「一番搾り」に最注力する。キリンのものづくりを象徴するブランドならではの多彩な提案により、消費者のビールに対する関心を高めるとともに、ブランドの飛躍的成長を目指す。
RTD、清涼飲料の拡大を今後の成長ドライバーと位置づけ、ブランド育成に取り組む。若年層や女性を中心に今後も市場拡大が見込まれるRTDでは、「氷結」、「本搾り」、「ビターズ」を3本柱として育成する。また、清涼飲料では、同市場の主要カテゴリーである、炭酸・コーヒー・無糖茶飲料の3カテゴリーにおけるブランド育成・強化を進める。
さらに、中長期での成長実現に向けてブランド投資を行う一方、中計で立案したコスト計画を上回るコスト削減を強力に進める。キリンビール社では、さらなる生産性向上により製造コストを低減するとともに、各工場の製造品種や出荷テリトリーの最適化により製造・物流一体でのコスト削減を図る。キリンビバレッジ社では、生産拠点に滋賀工場が加わり、関西エリアへの物流効率が飛躍的に向上するほか、自社工場での製造比率を向上させることにより、製造コストの削減を図る。また、ビール中びん(リターナブル)や大型PETボトルの軽量化など、容器包装の省資源化にも引き続き取り組む方針だ。
2015年販売目標は、ビールが5,300万箱(+2.5%)、発泡酒が3,920万箱(-2.0%)、新ジャンルが5,000万箱(-0.2%)、RTDが4,860万箱(+11.0%)、ビール類計で1億4,220万箱(+0.4%)である。国産ワインが430万箱(+8%)、輸入ワインが330万箱(+8%)、ワイン計で760万箱(+8%)。清涼飲料計が2億500万箱(+6%)である。(編集担当:慶尾六郎)