若い世代がビールを飲まなくなった。ビールがあまり売れなくなった。そのような嘆きが聞こえてくるビール業界だが、しかしそうしたなかにあってもサントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」は好調な売れ行きをみせている。通常のビールよりも価格帯は高めだが、しかしその味わいの深さから多くのファンを獲得しており、ビール界の「高付加価値商品」としての地位を確実なものとしている。
そうして「ザ・プレミアム・モルツ」が好調に推移するなか、サントリーが7日、2015年のビール類(ビール、発泡酒、新ジャンル)販売目標を、前年比3%アップの6730万ケースとするとの発表を行った。そして「ザ・プレミアム・モルツ」よりもさらに高級志向の瓶入り新商品「ザ・プレミアム・モルツ・マスターズドリーム」を発売し、全体の売り上げアップをはかるとしている。この「ザ・プレミアム・モルツ・マスターズドリーム」はヨーロッパ産の高品質麦芽を使い、新たに開発した銅製の加熱設備で三度煮沸し麦汁を抽出する。コクが深く、ほのかな甘味と柔らかな苦みがあるという。
サントリーは2015年のビール類総市場は対前年98%程度で推移するとの見方をしめしており、そのうちノンアルコールビールテイスト飲料を除くビール類市場は98%程度との予想を示しています。そうしたなかサントリーはプレミアムビール市場において圧倒的な存在感を誇る「ザ・プレミアム・モルツ」以外にも、「金麦」シリーズや「オールフリー」を強化し、市場の活性化をはかるとしている。
サントリーの推計では14年の国内のプレミアムビール市場は約3400万ケースと、前年比で15%伸長しており、今後も各社がプレミアムビール市場に参入してくることが予想されるなか、サントリーは「ザ・プレミアム・モルツ」のさらなる高級商品「ザ・プレミアム・モルツ・マスターズドリーム」、そして14年に夏季限定で販売した「香るプレミアム」を3月より通年で販売するなど、主力のプレミアムブランドにより他社の引き離しをはかる。(編集担当:滝川幸平)