一般会計総額96兆3420億円と過去最大規模の平成27年度予算案が14日、閣議決定された。民主党の枝野幸男幹事長は「経済対策であるはずの26年度補正予算に防衛費2110億円を計上する等、禁じ手とも言うべき手法を使って、見かけを小さくしてもなお、財政肥大は明らか」と問題提起した。
枝野幹事長は「国債依存度低下や税収増など歳入面の改善も、消費税8%引上げの平年度化等を踏まえれば当然の話。日本銀行による事実上の財政ファイナンスに支えられている面も大きく、日本経済の不確実性は増している」と経済の不確実性増を懸念した。
また、予算配分の中身にも問題が多いと指摘した。枝野幹事長は「安倍政権下で膨れ上がった公共事業費には手が付けられず、議員定数削減など約束した身を切る改革も未だ実現していない。その一方で、国民生活に直結する歳出は削減を断行しようという予算になっている」と指摘。
枝野幹事長は「政府は社会保障の充実・安定化のために消費税増税を決めたはずだが、今回、介護報酬は引下げられ、障害福祉の事業者向け報酬も実質的に引下げられている。これでは介護関連人材の不足に拍車がかかり、サービス低下を招きかねない。消費税8%への引上げが国民生活に与える影響を緩和するために創設した子育て給付金についても1人当たり1万円から3千円に減額するという。実質賃金が17か月連続マイナスとなるなど、国民生活の苦しさが増す中、このような施策が断行されれば、消費はますます低迷し、経済は混迷の度を深めかねない」と強く懸念している。(編集担当:森高龍二)