食事を自分で作らない人は実感がないかもしれないが、最近の食品価格の高騰は大変なものだ。野菜にせよ魚にせよ、食品コーナーで目がくらむことも多い。円安や異常気象、そして需給バランスの変化など、様々な要因があるのだろうが。
食事を自分で作らない人は実感がないかもしれないが、最近の食品価格の高騰は大変なものだ。野菜にせよ魚にせよ、食品コーナーで目がくらむことも多い。円安や異常気象、そして需給バランスの変化など、様々な要因があるのだとは思うが、食品価格は大変なこととなっている。たとえば庶民の味の代表格であるサンマが昨年、例年の4倍という高値をつけたこともある。サンマだけでなく他の魚や肉、ネギやほうれん草などの野菜も高くなり、家庭の主婦にとっては悩ましい日々が続いている。
そういった中で、シラスはあまり値上がりもせず、スーパーで私たちの気持ちをほっと和ませてくれる。しかしながら昨今の食品価格を見ていると、これからも今の価格で楽しめるのだろうかと心配になる人も多いだろう。実はシラスはすべて天然物。いつまでも安定供給できる保証はどこにもないのだ。
そういった中、江ノ島水族館が世界で初めてシラスの飼育と展示に成功したとのニュースが入ってきた。シラスとはカタクチイワシなどの稚魚だが、実はカタクチイワシの養殖は大変難しく、2014年に水産総合研究センターが大量育成に成功したばかり。江ノ島水族館ではカタクチイワシの成魚から一年中卵を得られる技術を用い、卵を集めている。その卵を専用の水槽に移し、工夫を凝らしたえさを与えることで飼育に成功した。しかし現在はまだ、卵から親まで育つ確率は1割ほど。江ノ島水族館では現在、成魚までの生存率2割を目指して研究を重ねている。
実はこのカタクチイワシ、養殖魚や家畜のえさ、鰹の一本釣りのえさなど、漁業や畜産業では世界的に幅広く使われている。しかし近年では水揚げ量が安定せず、一年を通じて安定した確保が難しくなってきているとのこと。また世界的な魚食の増大で、養殖魚のえさが各国で奪い合いとなっているという現実もあるそうだ。いち早く養殖技術が確立し、食糧の安定供給につながることを願ってやまない。(編集担当:久保田雄城)