富士重工業<7270>が2015年の生産・販売計画を発表した。ここ3年間、生産・販売ともに過去最高を更新している富士重工業は、今年でも過去最高を更新する見通しを示しており、これが現実のものとなれば4年連続で過去最高を更新することとなる。
16日、富士重工業が今年の生産・販売計画を発表。それによれば、世界生産台数を前年比比4%アップの92万台、世界販売台数を前年比3%アップの94万台と、それぞれ4年連続で過去最高を更新する見込みを示した。また16年にはさらにアメリカで1万8000台の生産能力の増強をはかり、全体の生産能力を95万8000台にまで引き上げたい考えだ。
15年の生産の国内・海外の比率を見てみると、国内で前年比1%アップの70万台、海外で前年比14%アップの22万台となっており、いずれも過去最高を見込んでいる。また販売の国内・海外の比率は、国内で前年比8%ダウンの15万6000台と、地域別に見た時に唯一前年を下回っている。そして世界では前年比5%アップの78万4000台と4年連続で過去最高を更新する見込みだ。主力市場であるアメリカで前年比5%アップの54万台、また中国で前年比10%アップの6万台を見込む。
これらの発表のうち、国内生産は前年を上回っているものの、国内販売については前年を下回っている。これは14年4月に実施された消費税増税の影響により消費低迷が長期化していることや、新型車「レヴォーク」の投入効果の薄れが予想されることなどが影響しているものとみられている。
富士重工業は14年でも世界生産台数で前年比10%アップの88万9000台、世界販売台数で前年比10%アップの88万9000台とそれぞれで3年連続過去最高を更新することとなった。こうして勢いに乗る富士重工業は、中長期計画で示していた生産能力の増強のペースをさらに早める考えを示しており、アメリカの工場での生産能力増強により16年度の上期に1万8000台増やし、32万8000台とする。しかし20年度の生産能力については、据え置きとして、従来通り105万台としている。(編集担当:滝川幸平)