新型スバル・レガシィはセダン“B4”とクロスオーバー“OUTBACK”2車型

2014年10月25日 21:19

Legacy_B4

全長×全幅×全高は4795×1840×1500mm、ホイールベースは2750mm。このサイズをトヨタ・クラウンの寸法4895×1800×1450mm、ホイールベース2850mm、クラウン・アスリートS(2.5リッター・ガソリン車)車重1660kgと比べると、レガシィB4はクラウンに比べて、かなり短く・広く・やや高いのだが、そのボディの大きさの割に車重は相当にダイエットしたとみえ、四輪駆動のメカニズムを搭載しながらクラウンよりも100kg以上軽い1530kgに抑えられている

 昨2013年11月、東京モーターショーを尻目に、ロサンゼルス・オート・ショーでプロトタイプをワールドプレミアした富士重のスバル・レガシィが、遂にモデルチェンジして6代目を襲名、正式発表となった。

 新型スバル・レガシィには、噂どおり初代から4代目まで人気の中心だった「ツーリングワゴン」はラインアップされない。スバル“伝統”のレガシィが、日本のマーケットから北米市場をメインにしたマーケティング戦略にシフトした結果である。

 以前も報告したが、従来からのレガシィ・ユーザー(4代目までの)にとって、5代目のレガシィ・ツーリングワゴンは「日本で走らせるには大き過ぎる」として購入を躊躇する遠因になっていると述べた。それは、北米ミッドサイズセダン市場を戦略的に意識して、そのマーケットでは稀な水平対向エンジンとシンメトリカルAWDを武器に投入し、大成功を収めているからだ。世界的に見てもレガシィに対抗し得るフォーマルなミッドクラス四駆車をラインアップするのはアウディぐらいで、その常時四駆という走行性能において希有な存在が、レガシィなのだ。

 そのレガシィが北米をメインとしたクローバルマーケットを目指す戦略車としての立ち位置を更に明確にしたのが、今回の新型である。

 昨年、米ロサンゼルスで開幕した「LAオートショー」富士重工業のプレスコンファレンスで世界初公開した際に、富士重は「発表するレガシィ・コンセプトは、スバルのフラッグシップモデルであるレガシィの今後のデザインの方向性を提示します。2014年にレガシィ誕生25周年を迎えるにあたって、次期レガシィ・セダンのデザインの方向性を表現したミッドサイズセダンのコンセプトです。スバル・ブランドを通じて価値である“安心と愉しさ”を実現するシンメトリカルAWDの走りと乗員の快適な空間をダイナミックかつソリッドなスタイリングで具現化しました」と高らかに唱い上げていたのだ。

 そのスタディモデルのボディは、全長×全幅×全高4930×1940×1500mm、ホイールベース2880mm。タイヤサイズ265/40ZR21。乗車定員4名。完全なLクラスセダンだった。

 今回正式に発表された新型レガシィの寸法は、現実的なミドルクラス・サルーンとなり、その全長×全幅×全高は4795×1840×1500mm、ホイールベースは2750mm。このサイズを分かりやすく表現すると、トヨタを代表するセダン、クラウンの寸法4895×1800×1450mm、ホイールベース2850mm。クラウン・アスリートS(2.5リッター・ガソリン車)車重1660kgを比べる。レガシィB4はクラウンに比べて、100mm短く・少しだけ広く・やや高いのだ。そのボディの大きさの割に車重は相当にダイエットしたとみえ、四輪駆動のメカニズムを搭載しながらクラウンよりも100kg以上軽い1530kgに抑えられている。この車重は、まだ5ナンバーサイズで2リッターだった3代目レガシィに匹敵する。

 エクステリアデザインは、ヘキサゴングリルとホークアイヘッドランプがスバル車を主張する。このあたりは、昨年発表されたコンセプトモデルを旨く昇華したデザインと思える。

 パワーユニットは定評のあるFB25型4気筒水平対向DOHCエンジン。ただ、約8割の部品を新設計した。吸排気系、燃焼系を中心に大幅にリニューアルし、実用域での扱い易さや軽快な走りを維持しながら、燃費性能の向上を果たした。その出力&トルクは、175ps(129kW)/5800rpm、24.0kg.m(235Nm)/4000romとなる。

 また、組み合わせるトランスミッションのリニアトロニックと呼ぶCVTは、アクセル開度によって変速特性を切り替えるオートステップ変速制御や6速マニュアルモードのパドルシフトを採用することで、ドライバーの意志に忠実で軽快な走りを実現した。当然だが、駆動方式はスバル伝統の四輪駆動方式である。このシステムが、北米でライバルと目される、トヨタ・カムリやホンダ・アコードにはないメカニカルな優位点だ。アウディ(A4)クワトロあたりを駆逐する可能性を秘めている。

 富士重では、レガシィB4の新型への移行とともに、クロスオーバーモデルのレガシィOUTBACK(アウトバック)も発表。B4に準ずるモデル展開を発表した。価格を列記すると、B4が286.2万円、B4リミテッドが307.8万円。アウトバックが313.2万円、アウトバック・リミテッドは340.2万円。なお、両リミテッド・モデルはブラックの本革内装仕様が標準となる。(編集担当:吉田恒)