日本百貨店協会が公表した12月の百貨店売上高は7107億円あまりで、9ヶ月連続で前年割れとなった。縮小幅は前年同月比マイナス1.7%で、11月(-1.0%)から悪化している。前年より日曜日が1日少なかったことや、降雪、雨量の多さが影響し、クリスマス商戦がふるわなかった。中でも地方百貨店は、前年同月比マイナス3.8%と苦戦が続く。都市部(-0.7%)はアベノミクスによる株高や、訪日外国人観光客の“爆買い”効果に湧いているが、地方との差は開くばかりだ。とはいえ、年間を通しての全国百貨店売上高(速報値)は、店舗数を調整した「既存店ベース」でプラス0.3%と、3年連続増加を維持した。一方、店舗数調整前の「全店ベース」では前年比-0.1%と、わずかに前年実績に届かなかった。
12月の売上を地区別でみると、前年実績を上回ったのは東京(+0.3%)と大阪(+1.1%)のみ。他の地区は天候不順などの悪条件で、札幌、仙台を含む北海道、東北、近畿、中国、四国など、いずれもマイナス幅が拡大した。商品別では、「雑貨が」プラス3.7%と健闘している。これは細分類の「化粧品」がプラス5.7%と6か月連続の増加となったこと、「美術・宝飾・貴金属」がプラス6.5%と、増税後初の増加となったことが要因。
12月は訪日外国人による売上高が+175.1%と、さらに大きく伸びた。外国人観光客による毎月ごとの売上高は、2009年1月の統計開始以来、初めて単月で100億円を超えた。年間でみても、調査対象となる46店舗の免税カウンターベースで約730億円を記録しており、9割増だった。外国人観光客の売上高は前年からほぼ倍増しており、今後に期待がかかる。
年間を通して概ね好調だった東京地区では、12月も主力の衣料品や高額商材が好調に推移した。売上高は2ヶ月連続のプラスで、2014年全体の実績も、前年比プラス1.5%(既存店ベース)。3年連続で前年実績をクリアした。訪日外国人の増加などもプラス要因だった。1月の初売り商戦も好天に恵まれ、堅調に推移している。1月14日までの売上は、前年比1%程度のプラスとなった模様だ。(編集担当:北条かや)