安倍政権の経済政策“アベノミスク”を追い風に、デパートは高額品などの売れ行きが絶好調。特に美術品や宝飾品など売り場拡大しても追い付けない状況と言う。一方日用品、食料品を主体とした食品スーパーの店頭販売は、値上げラッシュが続き、苦戦しているのが現状と言えよう。その結果、消費者の低価格志向は強まり、スーパーは各店とも値下げ競争で活路を見出している。
こうした現象を裏付けたのが、先ほど発表された日本チェーストア協会が発表した全国スーパーの5月度売上数字だ。
それによると全国スーパーの5月度売り上げは、前年同月比1.2%減の1兆492億円となり、2ヶ月連続マイナスだった。客単価は、0.7%減と前年を下回った。食料品、日用品主体のスーパーに”アベノミスク”の恩恵が回ってくるのは、半年か1年先との見方をする人も多い。品目別では、食料品が0.7%減の6496億円と、15ヶ月連続で前年割れが続き、衣料品も5.2%減となり、値下げ戦争が続いているのが現状。
総合スーパー「ダイエー」はお菓子やパンなど、約700品目の値下げに踏み切った。ウォルマートの傘下の「西友」は、昨年からの約2300品目の安売りに加え、今年から食料品や日用品2000品目以上の値下げを計画しているという。そして来年4月に予定されている消費税増税である。益々消費者の生活防衛意識が高まることも予測され、スーパー各社の値下げ戦争はどこまで続けられるのか、各社の知恵の絞りどころと言えそうだ。
このまま値下げだけに頼っていたら共倒れは必至、安売り合戦は、商店の小売店やコンビニエンスストアでも加速しており、値引きなしでは売れない状況が続いているのが現状だ。
この状況をどこかでくさびを打たなければ、消費税増税で、コスト高となる事が予想され、ますます窮地に追い込まれそうだ。(編集担当:犬藤直也)