再生可能エネルギーは太陽光だけではなく、様々な方式がある。地熱もそのひとつ。その地熱を用いた地熱発電は、地熱によって発生した水蒸気を利用して発電機に連結された蒸気タービンを回すことによって電力を発生させる方式だ。火山国である日本では、その潜在的な能力が期待されている。
独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は30日、湯沢地熱による秋田県湯沢市(山葵沢地域及び秋ノ宮地域)における地熱発電事業について、債務保証対象事業として採択したと発表した。
この事業は、発電規模(設備容量)として4万2000kWを見込んでおり、環境影響評価を必要とする1万kW以上の大規模地熱発電所としては、1996年11月に運転を開始した大分県の滝上発電所以来、20年ぶりの事業となる。
湯沢地熱は秋田県湯沢市で発電規模(設備容量)4万2000 kWのダブルフラッシュ方式の地熱発電所の建設を決定した。建設資金の一部(262億5900万円)をみずほ銀行(主幹事)、三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、秋田銀行および北都銀行から長期借入で調達し、JOGMECはこの借入の80%に対する債務を保証するもの。
ダブルフラッシュ方式とは、生産井から得られた一次蒸気及び熱水を減圧することによって得られる二次蒸気により発電するシステム。国内では、大分県の八丁原発電所、北海道の森発電所北海道で採用されている。
JOGMECは2012年9月から地熱資源に関する調査助成や技術開発等による支援事業を進めてきたが、環境影響評価法に基づく環境影響評価を必要とする大規模地熱発電案件に対する初めての債務保証事業となるとしている。
地熱発電は、地熱を利用するため、他の再エネ発電と比べ、天候、季節、昼夜などに左右されないという利点がある。しかし、今回のようにコストもかかり、火山災害などに遭いやすいというデメリットもある。ただ、前述したように火山国である日本にはかなりの潜在力が期待されるため、再エネのダークホースとして浮上してくる可能性は大きい。(編集担当:慶尾六郎)