国内最大級の太陽光発電所(メガソーラー)がある大分臨海工業地帯において、新たな太陽光発電所の開発計画が持ち上がった。15日、伊藤忠商事<8001>は九州電工<1959>と三井造船<7003>と共同により、大分県大分市の三井造船大分事業所にある約46万平方メートルの敷地内に大規模な太陽光発電所を建設するとの発表を行った。その発電所により、伊藤忠商事、九州電工、三井造船の3社は発電事業を行う。発電出力は4万5000キロワットで、8月に着工が開始され、2016年3月にも操業を始める予定だ。
今回発表された太陽光発電所が設置されるのは、大分市日吉原にある三井造船大分事業所の敷地内、46万平方メートルの土地で、年間予想発電量は約5250万キロワット時で、これは9300世帯分の年間使用量に相当する。これにより、年間で3万2000トンもの二酸化炭素を削減することができるという。総事業費は144億円。発電した電力は20年間九州電力<9508>に販売する。
今回の太陽光発電所建設及び、電力事業の開始における出資比率は、伊藤忠商事が50%、九州電工が30%、三井造船が20%となっている。また事業費の一部については、複数の金融機関からのプロジェクトファイナンスにより調達するとしている。
伊藤忠商事はスペインやギリシャなどで太陽発電を、またアメリカで風力発電を、インドネシアで地熱発電を行うなど、海外を中心に発電事業の拡大を行っている。しかし、日本国内で今回のように発電所を運営するのは初めてのこととなる。伊藤忠商事は、これまで海外での発電事業にて培ったノウハウを、国内事業においても活かしていきたいとしている。また今回の太陽光発電所建設により、伊藤忠商事が世界で保有する再生可能エネルギーによる発電容量は約47万キロワットとなる。
そして伊藤忠商事と共同で発電事業を行う三井造船は、今回の以外にも、岡山県、大分県、愛知県などで太陽光発電に関与している。また太陽光発電のみならず風力、バイオマス、バイオガスなどの再生可能エネルギー発電所の建設を手がけている。(編集担当:滝川幸平)