再建中のユニチカ、4~12月期は202億円の赤字

2015年02月09日 07:02

 2015年に入り医療事業や金属繊維事業からの撤退を発表するなど、主力事業以外の事業を整理し経営再建をはかり続けているユニチカが6日、2014年4~12月期連結決算を発表。それによれば、売上高は前年同期比3.9%ダウンの1150億円、純利益は202億円の赤字であったことがわかった。

 事業の構造改善費用や、タイの子会社解散やそれ以外の事業の縮小、撤退により特別損失を合計248億円計上したことにより、純利益は前期の22億円黒字から一転して、202億円の赤字になった。

 主力である高分子事業の食品包装フィルムや不織布などが海外にて好調に推移したものの、しかし国内での不織布や繊維事業などは消費税増税の影響を受けて落ち込んだ。しかし半導体やスマートフォン(多機能携帯電話)向けガラス繊維などの電子材料は伸長。そして昨年末、ユニチカの子会社が防災用「耐火スクリーン」の一部で大臣認定を不正取得していたことを公表し、耐火スクリーンの販売を停止。しかしそれによる業績への影響は軽微との見方を示している。

 そして繊維事業などで低採算品の販売を縮小したことや、不動産事業でのマンションの販売が減少したことなどにより売上高は4%ダウンの1150億円であった。現在、ユニチカは主力事業以外の事業に対する整理を行っており、すでに医療事業や金属繊維事業からの撤退を発表している。こうした経営再建策を実施することにより再起をはかるユニチカだが、経営再建策を実施することによる効果については、14年度末までには結果を示したいとしている。

 そしてユニチカは同日に15年 3月期の連結業績予想を発表。それによれば、売上高は前年同期比1.4%アップの1650億円、営業利益は前年同期比17.7%アップの80億円、経常利益は前年同期比27.3%アップの60億円、純利益を370億円の赤字としており、これまでに公表していた業績予想から据え置きとした。

 主力事業以外を整理するなど大幅な改革を行っているユニチカだが、はたして目論見通りに14年度末までに結果を出すことができるのか?国内事業が足を引っ張っている状況だけに、国内の景気回復具合が鍵を握りそうだ。(編集担当:滝川幸平)