少子化や単身化が進み、ペットを家族の一員のように可愛がる人が増えている。ペットフード協会が昨年12月に公表した「全国犬猫飼育実態調査」によると、2014年の飼育頭数は、犬が前年比5%減の1034万頭、猫は同2%増の995万頭だった。両者を合わせると2000万頭以上。日本の15歳以下の子供の数は1633万人(総務省統計局「人口推計」)なので、犬猫の数が子供を上回っている。ここ4~5年は室内での飼育が人気で、飼い始めた理由は「生活に癒やし・安らぎが欲しかったから」が33%と最も多くなっている。「癒やし」を求めてペットを飼う傾向は、特に30代(46%)や20代(39%)で顕著だ。
ペットブームは続いており、増税後も市場は拡大している。矢野経済研究所によると、13年度の「ペット関連総市場」は、小売金額ベースで前年度比100.8%の1兆4288億円に達した。ペット保険や動物病院などのサービスが市場を牽引。増税後の反動減もいち早く抜け出し、14年度は前年度比100.9%を達成する見込みだ。
近年、ペットは徐々に「高齢化」が進んでいる。冒頭の「全国犬猫飼育実態調査」によると、犬の年齢で最も多いのは「7歳以上(高齢期)」で53%。「1~6歳(成年期)」の40%を上回る。2010年には「高齢期」と「成年期」の割合がほぼ同じだったので、この4年で、犬たちが「高齢化」していることが分かる。
「高齢化」も影響しているのか、ペットの食事に対する安心・安全と健康維持への関心が高まっている。13年度のペットフード市場規模は、小売金額ベースで前年度比101%の4476億円。ドッグ・キャットフードともに、プレミアム商品や「健康配慮型」商品への需要が大きい。
犬用トイレシーツや猫砂など、「排泄ケア」商品も堅調だ。ペット用おむつの需要が拡大していることが影響しており、ここにもペットの高齢化の影響がみられる。ただ、これまでペット用おむつは「介護用」や「幼齢期用」の位置付けが強かったが、最近はマナーの観点から「おむつ」を買い求める人も増えているという。ペット関連のニーズは依然として大きく、市場はまだまだ伸びそうだ。(編集担当:北条かや)