日本生産性本部による「日本の生産性の動向2014年版」によると、13年の日本の労働生産性(就業者1人当たり名目付加価値)は、OECD加盟の主要先進7カ国中、最下位だった。日本の生産性は、3位の米国と比較して約3分の2にとどまっている。
一方、日本能率協会グループが実施した「第4回ビジネスパーソン1000人調査」によると、多くのビジネスパーソンが、会社の業績には不安を感じつつも、仕事の生産性を向上させるため、前向きに取り組んでいることが分かった。
調査は昨年12月、日本能率協会総合研究所「JMARリサーチモニター」のうち、全国の20~69 歳までの正規・非正規雇用の就業者で、方法はウェブアンケート。男性556人、女性444人の回答を集計・分析した。
2015年の予測について尋ねたところ、「勤務先の業績が上向くと思わない」人が68.6%、「勤務先の人員が増えると思わない」人が74.6%、「月給が2%以上増えると思わない」人が85%、「残業時間が減ると思わない」人が73.1%と、多くのビジネスパーソンが暗い見通しをもっている。
そんな中、「仕事の生産性を上げるために、自分自身ではどのようなことができると思うか」を、複数回答で聞いたところ、1位は「新しい知識・技能を学ぶ」(32.7%)、2位「仕事の優先順位を見直す」(29.8%)、3位「健康を維持・向上する」(25.6%)の順だった。僅差の4位は「だらだら残業しない」(25.3%)となっている。能力開発や効率的な働き方に加え、健康的に働いてこそ、効率よく仕事ができるという人も多く、ワークライフバランス意識の高まりも伺える。
年代別では、20~30代は「だらだら残業しない」が3位なのに対し、40~60代は「健康を維持・向上する」が上位に挙がっている。気になるのが、40代の4人に1人以上にあたる26.9%が、「生産性を上げるための取り組みが特にない・わからない」と回答している点だ。男性全体でも25%にのぼり、女性よりも生産性アップに消極的な人が目立つ。
40代は中間管理職世代でもあり、日々の仕事に追われて生産性向上どころではないのかもしれない。が、日本能率協会では、40代の4人に1人が「生産性を上げるための取り組みが特にない・わからない」ことについて、「危機感を持つべき数字」とコメントしている。(編集担当:北条かや)