高度専門職は「時間でなく成果で評価へ」総理

2015年02月17日 07:44

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政府が検討を進めている労働時間制度の見直しについて「ワーク・ライフ・バランスの観点から、働き過ぎを是正するとともに、多様で柔軟な働き方を進めるもの」と強調した

安倍総理は16日の衆議院本会議の答弁で、政府が検討を進めている労働時間制度の見直しについて「ワーク・ライフ・バランスの観点から、働き過ぎを是正するとともに、多様で柔軟な働き方を進めるもの」と強調した。

 安倍総理は「企業に対し、働く人の意見を聞いて休暇を指定することの義務付けや働く時間を調整し、より柔軟な働き方を可能とするためフレックスタイム制の見直し、グローバルに活躍する高度専門職として働く人については時間でなく成果で評価する新たな制度の導入などを検討している」と答えた。

 安倍総理は、提出予定の労働者派遣法案について「正社員を希望する派遣労働者に正社員への道が開けるようにするとともに、自らの働き方として派遣を積極的に選択している方には待遇の改善を図ることとしている」と労働者にとって雇用条件が改善される方向になるようにするものだとの意向を強調した。

 安倍総理は「働きたいと希望するあらゆる人がワーク・ライフ・バランスを確保しながら、生きがいを持って社会で活躍の場を見いだすことのできる社会をめざす」と答弁。

 自民党の谷垣禎一幹事長が「成長戦略は働き方改革の実現や外部労働市場の活性化による失業なき労働移動の実現等、雇用制度改革を掲げているが、政府は働き過ぎを防止し、多様なライフスタイルを可能とするワーク・ライフ・バランスを実現するため、一般の勤労者を対象とする使用者への年休取得の義務付けや一定の年収条件や特定の高度な専門業務者を対象とした時間ではなく成果で評価される制度への改革、子育て中の勤労者が働きやすくなるようなフレックスタイム制の改善等、労働時間法制の改正準備を進めている」と政府取り組みを半ばカバーしたうえで、次のように質した。

 谷垣幹事長は「特に成果で評価される制度改革については、各々の専門技能や技術、創意工夫によって成果を出せば時間に捉われることなく従来と同じ賃金がもらえるようにすることで、働く時間を自由に決めることができるという、柔軟で効率的な働き方を促すことが目的」。

 「労働者派遣法改正案は正社員を望む方にはその道が開かれるよう支援し、派遣という働き方を望まれる方には待遇の改善を図る等、労働者のニーズに応えて多様な働き方の実現を目指すもの。国民に誤解をされることなく、安心して働いていただくためには、これらの改革の内容を丁寧に説明する必要がある。雇用制度改革を通じて、どのような経済社会、国民生活を目指しているのか、総理のご見解を求める」と質問した。(編集担当:森高龍二)