セブン&アイ、バーニーズジャパンの全株式取得

2015年02月15日 09:42

 流通大手のセブン&アイ・ホールディングスは12日、住友商事<8053>が保有するアメリアの高級衣料品店チェーン「バーニーズ・ニューヨーク」を日本で展開するバーニーズジャパンの全株式を取得し、完全子会社化したとの発表を行った。セブン&アイ・ホールディングスは2014年にバーニーズジャパンの株式49.99%を取得していたが、12日の残りの株式50.01%を住友商事から取得した。セブン&アイ・ホールディングスはこうして海外の有力ブランドを傘下に収めることで、ファッション事業を強化していきたい考えだ。

 セブン&アイ・ホールディングスは12日に住友商事から株式50.01%を取得。14年にすでに取得していた49.99%と合わせてバーニーズジャパンの株式100%を取得し、完全子会社化とした。資源関連で巨額損失を計上する住友商事としては、保有資産見直しの側面がある。

 今回セブン&アイ・ホールディングスが完全子会社化としたバーニーズジャパンは、イタリアを中心としたヨーロッパおよびアメリカ紳士、婦人服、雑貨を販売する「バーニーズ・ニューヨーク」のプライベートレーベルショップを展開しており、国内で新宿や銀座、横浜などの地域に11店舗を展開している。セブン&アイ・ホールディングスはバーニーズジャパンを完全子会社化とすることで、バーニーズの商品開発力などのノウハウを吸収し、コンビニエンスストア事業などにも活用させていきたい考えだ。

 さらにセブン&アイ・ホールディングスは、顧客がインターネットで注文した商品をコンビニエンスストアで受け取ることのできるサービスを、15年秋より開始する予定で、バーニーズのアメリカ本社と協議の結果、バーニーズの商品についてもこのサービスを適応させ、インターネットと実店舗の商品を連携させる、「オムニチャンネル戦略」を加速させる。

 株式取得金額については公表されていないが、数十億円とみられている。セブン&アイ・ホールディングスの在庫管理や物流システムを活用することで、バーニーズジャパンのコスト削減も進める。

 そしてセブン&アイ・ホールディングスは今回の完全子会社化の目的について、「当社グループにおけるシナジー効果の更なる追求ため」としている。(編集担当:滝川幸平)