JA全中の地域農協への指導・監督権廃止や監査部門の独立組織改革、JA全中の一般社団法人化など、政府与党の農協改革への取り組みに対して、社民党や生活の党など野党は農業に市場原理主義を導入していくことが最大の狙い、政治力をそぐことも狙いではとの見方もでている。
社民党の吉田忠智党首は「やはりJA全中そのものの政治力をそぐことが最大の目的なのではないか。TPP(環太平洋経済連携協定)に反対しているから、その障害を取り除くこと、あるいは農業への株式会社参入を進めていく、農業に市場原理主義を導入していく、そのための障害を取り除くことではないか」と提起する。
生活の党の小沢一郎代表は「私も農協の今の組織については大きな改革をしなくてはならないという意識は持っているが、安倍政権・政府の考え方は農業の分野にも、いわゆる新自由主義的と言うか、競争原理を徹底的に導入しようという考え方が背景にあるだろうと思う」とその発想を危惧する。
小沢代表は「日本の農産品でも生き残れるものもあるが、かなり多くのものは、まったくのセイフティ・ネットを取り払った自由競争の下では生き残ることはできないだろう」との認識を示したうえで「自由競争の原理を徒に導入して、大きい者・強い者をどんどん大きくしていけばいい。そのうち皆も良くなるだろうと、本当にいい加減な考え方の下に経済政策は運営されていますが、農業についても同じようなことをやって行こうということだろうと思う。以上の点で農家のためにも、国民のためにも、国のためにもならない」と真っ向から問題視した。
民主党の枝野幸男幹事長も「60年ぶりの改革と称するけれども組織いじりに終始し、どうしてこれが強い農業を作り、農家の所得を増やすのか全く道筋が見えていない」と批判。党としての対案を提示しながら安倍政権に対峙していく姿勢をみせている。(編集担当:森高龍二)