3兆円規模補正予算案を閣議決定 民主冷ややか

2015年01月10日 09:44

政府は総額3兆1180億円の26年度補正予算案を9日、閣議決定した。生活者や事業者支援に1.2兆円、地方活性化に0.6兆円などを盛り込んでいる。今月召集される通常国会に提出。早期成立をめざす。

 政府の補正予算案に、民主党の福山哲郎政調会長は「3.1兆円もの補正予算を組まざるを得ないこと自体、景気が芳しくないと安倍政権が認識していることを意味する」と安倍政権は景気が良くないという事を認めるべきだとした。

 また補正予算案の中身について「場当たり的で、持続的な経済成長に資するものとなっていない」と批判。「過去に失敗した地域振興券や定額給付金と同類の商品券のバラマキなどに4200億円もかける一方、来年度予算では介護報酬や障害福祉報酬の引き下げなど、国民に不安を抱かせ、消費活動を抑制させかねない施策を検討している」と予算編成の在り方にも問題を投げた。

 福山政調会長は「民主党は、まもなく開会する通常国会での論戦を通じ、アベノミクスからの転換、雇用を創り所得を増やす経済政策の実現を目指す」とアベノミクスの転換を求めていく考えを示した。

 福山政調会長は「昨年11月の実質賃金はマイナス4.3%で17か月連続のマイナスとなった。2人以上の勤労世帯の実収入も実質増減率は14か月連続マイナスを記録した。国民生活はますます厳しさを増しており、いくら総理が景気回復を喧伝しても国民にその実感はない」と大企業と富裕層のみがアベノミクスの恩恵を受けている実態をうかがわせた。(編集担当:森高龍二)