最近テレビでも話題の中国人観光客の「爆買」。中国人観光客の買い物はケタが違う。日本観光に来るのは中国の富裕層だ。貧富の差が激しい中国の富裕層はそれだけ超リッチということなのだろう。
2月、春節の大型連休に日本を訪れる中国人観光客の争奪戦がデパートや量販店で繰り広げられた。円安によるお得感も追い風となり、高級品を取り扱う百貨店では訪日客の売り上げが好調だ。三越伊勢丹ホールディングス〈3099〉の三越銀座店の訪日客売り上げは前年同期比3.3倍、伊勢丹新宿本店が2倍となっている。高島屋〈8233〉は主要店で3倍の売り上げとなっている。
いずれも売れているのは女性向けの高額バックや男性の用コートなどの高額商品だ。一人あたりの平均購買価格は10万円~20万円。店側は100万円以上する赤サンゴや真珠などの宝飾品や、高級鉄瓶など100万越えの買い物をねらった商品も用意していた。
量販店も負けてはいない。ドンキホーテ〈7532〉では日用品や食品を箱買いする観光客も多い。お茶風味のお菓子や化粧品、意外な事に大気汚染の関係で目薬が人気だ。それに対応してドンキホーテでは2月19日以降、全店で中国の銀れんカードでの支払いに対応できるようにしている。その甲斐あってか、同社の免税売上は前年の5.7倍に達している。
観光レジャー産業にとっても春節は一大イベントだ。2月は外国人旅行者が少ないオフシーズンなだけに、春節で日本を訪れる中国人観光客は貴重だ。西武ホールディングス〈9024〉グループに属するプリンスホテルでは春節料理メニューを提供している。あの手この手で中国人観光客の呼び込み合戦は止まらない。
百貨店各社はダイレクトメールなどを送るなど外国人客の囲い込みの動きを見せている。春節にとどまらず爆買が常態化するよう、各社知恵をしぼっている。(編集担当:久保田雄城)