1月の百貨店売上高、2.8%減 東京、大阪以外は苦戦

2015年02月20日 08:38

Mitsukoshi_Ginza

1月の百貨店売上高は東京が+0.7%と3か月連続プラス、大阪が+2.2%と7か月連続プラスだったのに対し、地方都市は1月も-5.5%だった。

 日本百貨店協会が19日、公表した1月の百貨店売上高は5423億円あまりで、10ヶ月連続で前年を下回った。1月は、正月休暇が昨年に比べて1日少なかったことに加え、日本海側を中心に大雪に見舞われ、年頭商戦が振るわなかった。全体的に厳しい滑り出しとなる中、中旬以降も雨や雪の日が多く、東京・大阪の百貨店以外は苦戦した。

 商品別では、主力の衣料品が-5.8%と苦戦した。不安定な天候で入店客数が減り、コートなど防寒衣料の売れ行きが大きく減少した。昨年の駆け込み需要で数字を伸ばした家庭用品も-9%と不振だった。一方、昨年10月から免税対象となった化粧品は+7.1%と、7か月連続で増加している。東京や大阪の百貨店では、訪日外国人観光客が化粧品をまとめ買いする姿も見られ、雑貨類の売上は好調だ。国内の富裕層も、株高などの影響から高額品への消費意欲が回復。外商ルートも好調で、美術・宝飾・貴金属は+4.7%と、2か月連続のプラスとなった。

 訪日外国人による売上高は、+180.8%と高い伸びを示している。12月に続いて、単月で100億円超えとなり、購買客数も前年度+176%と勢いづいている。昨年は中華圏の「春節休暇」が1月31日からだったため、中国などからの観光客による消費が1月の売上高を押し上げたが、今年の1月は「春節効果」なしに前年度を上回る好調ぶりだった。今年の春節休暇は2月18日から。すでに日本で買い物を楽しむ観光客の増加が報じられており、2月は都市部を中心に、インバウンド効果が期待できそうだ。

 一方、外国人観光客の恩恵を受けにくい地方百貨店では不振が続く。東京が+0.7%と3か月連続プラス、大阪が+2.2%と7か月連続プラスだったのに対し、地方都市は1月も-5.5%だった。降雪など悪天候の影響もあるが、外国人観光客の少なさに加え、ショッピングセンターやファストファッションブランド、ネット通販との競合、さらには景気の回復が遅れていることも、苦戦の要因だ。東北地区は-6.7%、中国は-6.6%など、大都市との格差が目立つ構図になっている。2月以降もこの傾向は続くだろう。(編集担当:北条かや)