2015年になって、ようやく去年4月に行われた消費税増税の反動減の影響が弱まるということなのだろうか。13日、日本電機工業会(JEMA)は15年度の白物家電の国内出荷額の見通しを発表。それによれば、14年度実績見込みと比べて4.2%アップし、2兆2032億円になると予想した。この予想通りに推移すれば、2年ぶりに前年を上回ることとなる。
14年度は消費税増税後の反動減の影響や、夏場の台風などによる天候不順の影響などにより前年を下回る見込みだが、15年度は買い替え需要や省エネ志向の高まりなどから、ルームエアコンや電気冷蔵庫、電気洗濯機などで需要が見込めるとしており、さらに消費税増税の反動減の影響が弱まり、市場が堅調に推移するのではないかとの見通しを示している。
日本電機工業会はルームエアコンの出荷額を14年度実績見込み比3.5%アップの6505億円、電気冷蔵庫の出荷額を14年度実績見込み比10.5%アップの4582億円。電気洗濯機の出荷額を14年度実績見込み比4.2%アップの2885億円と予想。省エネ製品については引き続き好調に推移するとしている。また天候については平年並みを前提としている。
さらに15年度の国内生産見通しについては、白物家電は3.2%アップの1兆6045億円になるとの見通しを示している。円安の影響を受けて国内生産回帰への傾向が高まるとみており、この数字通りに推移すれば2年ぶりに前年を上回ることになる。
また同時に発表した重電機器の国内生産見通しについては、2.6%ダウンの4兆284億円としている。14年度では発電用原動機が好調だった反動減などを織り込み若干のマイナスとなるもの、そのほかの重電機器は円安影響により輸出向けが堅調に推移することや、国内でも設備投資需要が拡大するとみており、前年度に引き続き4兆円台をキープすると予想している。
これをようやく訪れた「消費税増税にともなう反動減からの脱却のきざし」と捉えていいのかどうかは、今後動向にもよるとは思うが、去年、どの業界も長期にわたって苦しめられ続けた「反動減」であるがゆえに、この予想通りに推移することを願うばかりだ。(編集担当:滝川幸平)