待望の「マツダ・ロードスター」が4代目に生まれ変わる。3月5日から本社宇品第1工場で新型「マツダ ロードスター(海外名/Mazda MX-5)」の生産を開始。生産を開始している新型「ロードスター」は日本向けのライトハンダー・モデル。発売は今年6月頃を予定しており、3月20日の正午からWEBで予約して最寄りディーラーで行なう先行商談を開始した。また、海外市場への導入は、日本に発売に続いて順次行う予定だ。
新型は車両重量を削り軽量化にこだわったモデルだ。資料によると市販化モデルのディメンションは全長×全幅×全高3915mm×1735mm×1235mm、ホイールベース2310mm。4m未満の全長、1200mmを僅かに超える全高は、かなり小さくて低い。車重はもっとも軽いグレード「S」で、1トンを切る990kgとなった。この車重の軽さと、ディメンションにおける全長とホイールベースの短さが際立っている。ロードスターの運動性能の特徴であるハンドリングの軽快感が伝わってくるしイメージできるというもの。
パッケージングへのこだわりは歴代ロードスターの特徴だが、新型はさらに突き詰めている。フロントミッドシップにコンパクトなエンジンを従来よりも15mm後方で13mm低く搭載し、旧型以上の低重心とした。前後重量配分は完璧な50:50を実現した。そして、前後ホイールの中心にドライバーを配し、ヒップポイントは従来比20mm下がった。これに伴いボンネットは28mm、全高も10mm下げることに成功している。前後オーバーハングも短縮され、前マイナス45mm、後マイナス40mmとなった。
同様にドライビングポジションを決定する室内装備にもマツダらしい設計となった。運転席シートのリクライニング角度を2度プラスして27度とし、シートを前にスライドさせた場合に座面が上昇する角度を従来の6度から10度に変更した。こうすることで小柄な運転者でも適切な前方視界が得られるという。あわせてステアリングのチルト量も10mm拡大し42mmとしている。的確なドラポジ確保できるドライバーの体格の幅が拡がっている。
ペダル配置にも最新のレイアウトを心がけた。MT車のクラッチは従来比15mm左に移動しブレーキとクラッチペダルの間隔は、先代よりも19mm拡大。クラッチを踏む際にブレーキに足が引っかかることが無いように配慮した。アクセルペダルはオルガン式となった。また、ステアリング径はクイックな操作を受け付ける小径366mmφとした。6速マニュアルのシフトノブは重量300g。やや重めに設定したことでスムーズなシフトフィールが得られているという。
日本仕様の搭載パワーユニットは、SKYCATIV-G1.5リッター直列4気筒直噴ガソリンエンジン。そのアウトプットは、最高出力131ps(96kW)/7000rpm、最大トルク15.3kg.m(150Nm)/4800rpmとなる。組み合わせるトランスミッションは、6速マニュアルとSグレード以外に6速オートマティックを用意する。タイヤ&ホイールは全車195/50R16+16×6Jアルミホイールとなった。
全車に標準となる装備のなかで気になるアイテムにも触れておこう。まずDSC(ダイナミックスタビリティコントロール)とTRC(トラクションコントロール)、LEDヘッドランプ&ポジションランプは全車標準。前述のとおりタイヤ&ホイールにも貧富の差はない。ブレーキも全車同一だ。つまり、基本的な運動性能を獲得する部分で装備の差は少ない。価格の差は快適装備やインテリアの違いだ。
気になる価格は、ベーシックなSが249.48万円(6MT)、装備が充実したSスペシャルパッケージが270.0万円(6MT)/280.8万円(6AT)、本革インテリアのSレザーパッケージが303.48万円(6MT)/314.28万円(6AT)となった。ボディカラーは全7色。(編集担当:吉田恒)