トヨタ・クラウン発売60年。記念事業として博物館で歴代クラウンの企画展を開催。限定車も

2015年03月26日 09:39

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写真の展示車はトヨタが初めて米国輸出した車両の1台。初代 トヨペット・クラウン(左ハンドル仕様)だ

 今年、発売60年を迎えるトヨタ・クラウンの歴史をトヨタ博物館(愛知県・長久手市)が、2015年4月25日から7月5日まで歴代13台の実車クラウンを展示して紹介する企画展「クラウン60周年記念展」を開催する。

 この記念展では、国産乗用車としてはもっとも歴史が古く、ユーザーとともに育ってきたクラウンにフォーカスする。そのクラウンの生産はトヨタの「継承と革新」の歴史であり、歴代オーナーの要望や時代の要請に合わせ、当時の最新技術と装備で、日本の高級車市場を築いてきた。今回は、クラウンの派生車であるクラウン・カスタムと初代クラウン・マジェスタの初展示車を含め、歴史を彩った歴代クラウン13台を展示。歴代クラウンのCM映像放映や、ギャラリーでの「クラウン・ポスター展」と併せて展示し、それぞれの時代を振り返えられる内容としている。同時に、記念展開催中ライブラリーでは、歴代クラウンのカタログや関連図書を展示する。

 また、「ゴールデンウィークイベント」として子供たちにむけて、4月25日、26日、5月2日から6日には、走るペーパークラフトとオリジナル万華鏡作りを実施する。

 展示車両で今回注目すべき初出展車は、他社が海外メーカーと技術提携するなかでトヨタが1958年に独力で開発・発売した純国産乗用車初代クラウンだ。写真の展示車はトヨタが初めて米国へ輸出した車両の1台。初代 トヨペット・クラウン(左ハンドル仕様)だ。

 次いで、名神高速の全線開通など高速道路が急ピッチで建設される中、「ゆとりある高速長距離セダン」を目指して開発。オーナーカーとしての色合いを強め、「白いクラウン」をキャッチフレーズとして発表された1968年製3代目クラウン・ハードトップ。

 さらに「スピンドルシェイプ(紡鍾型)」と呼ばれる先進的で個性的なデザインで登場したものの失敗作と言われた前衛的なクラウンも初展示される。後年、そのデザインは高く評価され、ファンからは「クジラ」の愛称で親しまれた1971年製4代目クラウン・カスタム・ワゴンである。

 バブル経済期に開発され、クラウンの上位に立つトップモデルとして1992年に「初代クラウン・マジェスタ」が追加された。この初展示車であるマジェスタは歴代クラウンの伝統であるフルフレーム構造に代わりモノコック構造となり、4輪ダブルウィッシュボーン式電子制御式サスペンションが採用され、クラウンに新しい歴史を刻んだ。

 また、この企画展に合わせて「クラウン・ポスター展」を本館2階ギャラリーで開催。時代を彩ったクラウンの販促ポスターを展示。同時に、歴代クラウンのカタログ、関連図書を展示するライブラリーイベント「クラウン60周年」を新館3階ライブラリー(無料ゾーン)で開催する。

 また、過日レポートしたとおり、クラウン誕生60周年記念特別仕様車、外板色に空色および若草色を採用した特別仕様車「空色 edition」と「若草色 edition」を全国のトヨタ店(東京地区は東京トヨタおよび東京トヨペット)を通じて、4月1日から30日までの1カ月間、期間限定で注文を受け付ける。なお、生産開始は2015年6月を予定しているという。

 今回の特別仕様車は、アスリートS(ハイブリッド車・2WD)、アスリートS Four(ハイブリッド車・4WD)をベースに、2014年7月から全国で放送しているクラウンのTV-CMに登場する空色、若草色クラウンをイメージして開発。

 現在販売中の特別仕様車“Black Style”で採用しているブラック塗装を施したフロントグリル(格子部分)やブラックスパッタリング工法で塗装を施した18インチアルミホイールなどを装備する。インテリアにおいても、特別設定色「ホワイト」の本革シート表皮などを採用したほか、インストルメントパネルサイドとドアトリムに空色、若草色の専用ステッチを施すなど、誕生60周年の記念にふさわしい特別感を備えた仕様とした。価格は2WD車が555.0万円、4WD車が576.6万円だ。(編集担当:吉田恒)