早くも意見が真っ二つ、上野東京ラインの評価とは?

2015年03月28日 15:19

画・早くも意見が真っ二つ、上野東京ラインの評価とは?

3月14日に開業した上野東京ラインを巡って、利用者の意見が真っ二つに分かれた。上野駅と東京駅までの移動選択が増えたなど便利になった反面、これまで混雑していなかったところで通勤ラッシュが起こるなど場所によって全く影響が違うためと思われる。

 3月14日に開業した、JR東日本<9020>の上野東京ライン。これまで上野駅が終点だったJR常磐、東北(宇都宮)、高崎の各線が東京駅に乗り入れられるようになった。北関東から首都圏への利用者にとっては都心まで乗り換えなしで行くことができるようになったため、この開業は大歓迎だ。一方で、東海道線の一部では混雑がさらに激化したという声も相次いでいる。なぜ、このように評価が二極化したのか。

 そもそも、上野東京ラインは乗り換えの多い上野駅の混雑を緩和しようと設けられたラインである。確かに開通後は山手線、京浜東北線に空きができた。アクセスも良くなり、北関東からの利用者からはおおむね歓迎する声が上がっている。

 そうした中にありながらも、東海道線では混雑が悪化したという声が多い。一番の原因は、東京駅が始発ではなくなったことにある。座って通勤することができなくなったばかりか、埼玉から神奈川に移動する乗客がそのまま乗り続けるということがあり、混雑率が上昇。その上、時間帯によっては15両編成が10両編成に短くなるなど、混雑のピーク時には乗車の際、地に足がつかなくなるという現象も報告された。

 さらに、首都圏電車網独自の複雑な乗り入れの問題もある。直通運転は便利である反面、乗客にはある程度の慣れと知識を要する場面もあるのだ。例えば、東海道本線を利用するとして、電車待ちのときに次に来る車両が「古河」行だったとして、すぐに茨城県の古河行だと分かる乗客は少ないのではないだろうか。逆もまたしかりである。相互乗り入れを実施したことで路線は複雑化し、乗客に混乱を招く場面もあるということだ。

 このようなケースに対し、「湘南新宿ラインのときと同じで、結局慣れの問題」とする利用者の声もある。突き放したような意見であるが、日常の足として利用する公共交通機関の変化に、利用者は戸惑いを隠せない。果たしてこの真っ二つに分かれた意見は、今後当たり前のこととして話題に上らなくなるようになるのか。これからの利用者の声がどう変化していくのかにも注目していきたい。(編集担当:久保田雄城)