経済・海洋の協力でインドネシアとの強固なパートナーシップは築けるか

2015年03月29日 17:01

 安倍首相は23日インドネシアのジョコ・ウィドド大統領と海洋の安全保障協力強化および経済援助についての会談を行った。安全保障についてはテロや過激主義への連携対応に合意をし、南シナ海での武力行使を認めない方針を確認した。経済援助についてはジャカルタのインフラ整備の為1400億円の長期低金利での政府間援助を行うことを表明した。
 
 安倍首相は来月下旬に行われるアジア・アフリカ首脳会議への出席を視野に入れていて、ホスト国であるインドネシアと強力な関係を築きたい意向も伝わるだろう。
 
 民間企業の動きも活発だ。トヨタがインドネシアへ16億ドルの投資をするほか、スズキも投資額を上積みするなど、日本企業のインドネシアへの予定投資総額が56億ドルにまで上ることが分かった。

 インドネシアの人口は2億4千万人近くで世界第四位である。インドネシアの車保有率は年々増加傾向にあり、2012年には1000万台を突破した。しかもあたりを見渡すと日本車が道路を埋め尽くすように走っている。日本車以外を探すのが難しいくらいだ。今後も日本車が増え続けるのだろう。そうした背景もあり、インドネシア人の親日度は高い。

 官民のあらゆる角度から様々な要因が重なりインドネシアと良好な関係を築けているといっても過言ではないだろう。日本にとっては今のところ圧倒的にギブが多いように見えるのはだれの目から見ても明らかである。しかし、人口面から見て今後テイクが多くなっていくことを予想するのは難しいことではない。

 もはや自国だけでは限界がある日本で資源および人口豊かなインドネシアがパートナーであることはとても心強い。見えないところで同じ島国と言う地形もお互いが引き寄せられる要因となっているかもしれない。今回の接見はインドネシアにとってとても有意義なものだったに違いない。しかし、「100年後、200年後を見据えたら日本にとって成功だった。」という日が来るだろう。(編集担当:久保田雄城)