中国製電気バスが日本に初進出

2015年04月06日 08:46

 中国の電池メーカー大手、BYD傘下の自動車メーカー、BYDオート(比亜迪汽車)が日本に初進出した。2月23日、同社製の電気自動車(EV)バス「K9」5台が、京都市に本拠を置く京都急行バスに納車された。かつて評価の低かった中国製自動車を、日本のバス会社が採用する時代となった。K9は、1回の充電で最大約250kmを走行できるという。

 BYDオートの親会社BYDは、国有企業で電池材料の研究・生産に携わってきた王伝福氏が創業した民間企業で、電池メーカーとして世界的に知られる。BYDオートはその優位性を生かし電気自動車市場で競争力を高めている。

 K9は、欧米を含む多くの先進国の認証を取得しており、2013年1月には欧州における車両販売統一型式認証である「Whole Vehicle Type Approval(WVTA)」を取得している。日本のバスもEUの基準を採用しているため、日本のバス会社がK9を採用できる環境が整っていた。

 京都で行われた納車式典において、BYDのアジア太平洋地域ゼネラルマネージャー、Liu Xueliang氏は、「日本市場は、技術と品質に対する要求が厳しい。今回のBYDバスの納車は、BYDそして中国の技術と品質にとって、偉大な認識を意味する」と語った。一方、国土交通省の阪部光雄氏は「BYD製のEVバスを京都に迎えられたことを非常に喜んでいる。京都の路線バスにゼロ・エミッションのEVバスが採用されるのはこれが初めてだ。EVバスは地域の環境改善に対して、非常に深い意義を持つ」と述べた。

 現在同社は、韓国市場への参入も準備しており、電気バスとともに電気自動車E6をタクシーに導入することを検討している。

 すでにBYDオートは2008年12月に量産型プラグインハイブリッドカーの発売を開始しているが、今年はプラグインハイブリッドSUV(スポーツ用多目的車)の投入に重点を置く方針を明らかにしている。SUVには中国王朝名を冠し、まず「唐」を、続いて「宋」、「元」を投入する方針だ。BYDオートは着実に自動者メーカーとしての存在感を高めつつある。(編集担当:久保田雄城)