コンビニ大手の2月期決算、セブンの強さ際立つ

2015年04月15日 08:30

 10日までにコンビニエンスストア大手5社の2015年2月期の決算が出そろった。それによれば、ある程度は予想されていたがセブン-イレブン・ジャパンのひとり勝ちという結果であり、現状のコンビニエンスストア業界が「セブン-イレブン・ジャパンの一強」であるという状況がまざまざと浮き彫りとなることとなった。15年2月期においてセブン-イレブン・ジャパンは4年連続で過去最高益を更新、しかしセブン-イレブン・ジャパン以外のローソン<2651>、ファミリーマート<8028>、ミニストップ<9946>、サークルKサンクス<3337>の4社については、いずれも減益となった。

 14年、セブン-イレブン・ジャパンは1602店舗を出店させるなど、新規出店戦略を推し進めた。また14年10月にはカウンター脇にドーナツを導入。こうした新商品の売れ行きも好調に推移し、好調さが続く店頭で淹れたてのコーヒーを飲むことができる「セブンカフェ」も堅調に推移した。その結果、チェーン全店売上高は前期比60.%アップの4兆82億円であり、本業のもうけを示す営業利益は前期比5.0%アップの2233億円であり、過去最高を更新することとなった。

 セブン-イレブン・ジャパン以外の4社についても、店舗数の拡大や新商品の導入など活発な動きをみせたが、しかしセブン-イレブン・ジャパンの過去最高益更新とは打って変わって、それぞれ営業利益はマイナスとなった。消費者の間で起きている消費税増税後の節約志向の高まりや、夏場の天候不順なども利益マイナスに影響を及ぼしているのだろが、そうした影響を跳ね返し最高益を更新したセブン-イレブン・ジャパンと比較した場合、より「セブンの強さ」が際立つ形となる。

 コンビニエンスストア業界を巡る状況は決して良い状況とは言えない。消費は低迷傾向にあり、業界全体の売上高はこれまで11ヶ月連続で前年を下回っている。しかしそうした状況にあっても各社は出店攻勢を行っており、そのため売上高について大手5社のうち4社がプラスとなった。しかしそうして店舗数が増加すればするほど、競争も激化することとなる。出店攻勢だけでなく、何か抜本的なアイデアを駆使しないことには、この「セブン一強」という状況を覆すことはできないだろう。(編集担当:滝川幸平)