新関西国際空港会社が15日、2014年度の関西国際空港・大阪国際空港の運営概況(速報値)を発表。それによれば、国際線の外国人旅客数が前年よりも40%アップし、過去最多の699万人に達したことがわかった。この旅客数は日本人旅客数630万人を上回っており、開港以来初めて外国人旅行客が日本人旅行客を上回ることとなった。
14年度の国際線の総旅客数は過去最多の1352万人で、そのうち日本に入国せずに関西国際空港を乗り継ぎで利用し通過した旅客数は23万人。また国際線の総旅客数は前年度比7%アップの653万人で、3年連続で前年度を上回ることとなった。そして国際線と国内線の合計離着陸数は前年度比9%アップの14万5000回であり、13年度の13万3000回を上回って過去最高を更新した。
14年度の総旅客数は2004万人であり、歴代2番目の水準となる。これは外国人旅客数の増加により全体が押し上げられた結果だ。こうして総旅客数が2000万人を突破するのは00年度の2058万人以来14年ぶりのことであり、3年連続で前年を上回った。関西国際空港の総旅客数が2000万人を突破したのは、これまで99年度と歴代1番の00年度の2回だけで、00年度の2058人における外国人旅客数の割合は2割程度で、14年度の外国人旅客数が全体の5割以上を占めていることを考えると、いかに外国人旅客数が増加しているかがわかる。このように外国人旅客数が増加している背景には、円安、ビザの発給要件の緩和、また日中関係の変化などが挙げられる。
そのほか、格安航空会社(LCC)の増便も、外国人旅客数増加の大きな要因となっている。中国、香港、台湾、韓国を結ぶLCCの国際線の離着陸回数は前年度比35%アップの約1万5000回であり、旅客数も前年度比52%アップの約216万人と大きく増加。新関西国際空港会社は、今後もこうした外国人旅客数の増加は続くものとみており、15年度の総旅客数は開港以来最多を見込んでいる。また外国人旅客数の増加傾向に対応するため、16年度にはLCC専用の第3ターミナルをオープンさせるとしている。(編集担当:滝川幸平)