フェイスブック、コスト増により純利益20%減

2015年04月24日 09:54

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フェイスブックが22日、2015年1~3月期の決算を発表した。それによれば純利益は前年同期比20%ダウンの5億1200万ドル(約614億円)であり、開発・研究などの投資にからむコスト増が足を引っ張る形となった。

 ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)最大手の米フェイスブックが22日、2015年1~3月期の決算を発表した。それによれば純利益は前年同期比20%ダウンの5億1200万ドル(約614億円)であり、開発・研究などの投資にからむコスト増が足を引っ張る形となった。

 売上高は前年同期比42%アップの35億4300万ドルであり、携帯電話向けを中心に主力である広告事業が伸び、同事業の売上高は前年同期比46%アップの33億1700万ドルであった。携帯電話向けの広告収入は広告事業の約73%を占めており、前年同期の約59%よりも拡大した。ただし伸び率そのものはここ2年で最小であった。また利用者数も堅調に推移しており、3月末時点での月間利用者数は14億4100万人であった。特別項目計上前の1株あたりの利益は0.42ドルで、前年同期の0.35ドルから増加した。

 こうして売上高が大きく伸長したにもかかわらず減益となったのには、広告事業の利益だけでは開発・研究などの投資にからむコスト増を抑えきれなかったという要因がある。15年1~3月期の開発・研究コストは133%触れ、そのほかマーケティングや販売にかかる費用は約倍増、そして営業費用は83%増えた。こうしたコスト増が全体の業績の足を引っ張ることとなり、純利益20%ダウンという結果を招いた。ただしフェイスブックはこれまでに、対話アプリ「米ワッツアップ」や、写真共有サービス「米インスタグラム」などを買収しており、積極的に投資を行い続けている。同社自身も15年は投資拡大の年と位置付けていることから、今回のコスト増はフェイスブックにとってはある程度「想定の範囲内」なのかもしれない。

 フェイスブックは、インターネットが利用できない地域に対しても、無人飛行機「ドローン」を活用することでインターネット接続を可能とするプロジャクトや、上記の「米ワッツアップ」や「米インスタグラム」などの企業買収などに多額の資金を投じているが、今後はこうした投資をいかに業績に反映させるかが課題となりそうだ。(編集担当:滝川幸平)