女性が考える「育児」の時給は1305円、2年前より上昇

2015年04月24日 12:32

 政府は「女性が輝く日本へ」のスローガンのもと、女性の管理職比率の引き上げなどを謳っている。目標を掲げることは重要だが、道のりは遠そうだ。ソニー生命保険が今年2月、全国の20~69歳の女性に対し、日本では女性がどの程度“イキイキ”活躍していると思うか、家庭や職場などの場面ごとに聞いたところ、活躍していると思う人の割合は「家庭」で43.2%、「職場」37.8%、「地域社会」33.3%となり、いずれの場面も「そう思わない」を上回った。しかし、2年前の調査と比較すると、「地域社会」では13年の40%→15年33.3%と6.7ポイント減少、「家庭」では13年の47.5%→15年43.2%と、「女性が活躍していると思う」人の割合は4.3ポイント低下している。

 全回答者1000人のうち、働く女性は499人。このうち「現在の生活に満足している」割合は48.7%で、約半数に達した。「今後もバリバリとキャリアを積んでいきたい」割合は43.3%と、「そう思わない」の27.6%を上回っている。しかし、「管理職への打診があれば受けてみたい」は20.4%と少数派で、「女性が社会で働くには不利な点が多い」と考える割合は76.8%に上った。こうした背景からか、20~30代の働く女性のうち、「本当は専業主婦になりたい」人の割合は4割を超えている。

 実際の専業主婦(回答数383人)たちは、現在の生活をどう考えているのだろうか。専業主婦らに、「現在の生活に満足しているか」聞いたところ、「満足している」が61.3%と、働く女性の48.7%より高かった。とはいえ「専業主婦は苦労が多いと思う」が45.7%、「老後の生活が心配だ」が76.8%など、主婦ならではの不安や苦労も多いことが伺える。

 ちなみに全女性に対し、毎日の家事を「時給」に換算するといくらになると思うか聞いたところ、「未就学児の育児・世話」(1305円)が最も高く、「小学生以上の子供の育児・世話」1069円、「食事の準備・後片付け」999円、「掃除・洗濯」899円などとなった。13年調査と比較すると、家事の時給換算額はすべての項目で上昇。特に「小学生以上の子供の育児・世話」は125円高くなっている。「イクメン」や「カジメン」などの言葉が流行る中、女性たちが思う「家事の価値」は、かえって高まっているようだ。(編集担当:北条かや)