自民党の憲法改正草案は憲法ではない その理由

2015年05月10日 17:31

 社会民主党の福島みずほ副党首は「来夏の参議院選挙後に安倍晋三総理は憲法改正を発議すると言っているが、自民党の憲法改正草案は憲法ではない」と訴えている。

 福島副党首は党のHPからアクセスしている「自民党の憲法改正草案のここが問題だ」との訴えの中で、「憲法は(国家)権力が勝手にやらないように権力を縛るもの」と役割について説明。そのうえで「自民党の憲法改正草案は国家と国民の関係を180度変えたもの」と指摘し、この点において、まず憲法でないと警鐘を鳴らした。生活の党の小沢一郎代表が自民党の憲法改正草案の中身は『国家のための国民』の視点でつくられていると提起したのと共通する。

 福島副党首は「自民党の憲法改正草案は国民に多くの義務を課している」とし「第3条、国旗は日章旗とし、国歌は君が代とする。第2項、日本国民は国旗および国歌を尊重しなければならない。9条の3、領土・資源確保義務。国は主権と独立を守るため国民と協力して領土・領海及び領空を保全し、その資源を確保しなければならない。第12条、常に公益及び公の秩序に反してはならない。国民は憲法上、公益および公の秩序に反してはならないという義務を課せられることになる」と指摘。

 また「憲法24条に家族助け合い義務を入れている。99条3項には緊急事態服従義務がある」と紹介。「緊急事態宣言が発せられた場合には何人も法律に定められるところにより、当該、宣言にかかる事態において、国民の生命・身体・財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない(この場合においても第14条、18条、19条、21条、その他の基本的人権に関する規定は最大限に尊重されなければならないとあるが)緊急事態では内閣は戒厳令の中で法律と同じことができる。そして、指示を出し、(国民に)服従義務を出せることになる。基本的人権の制限だ」とした。

 また「(現行憲法では)憲法を尊重し守る義務が課せられているのは天皇、国務大臣、国会議員、裁判官、公務員だ。国民には憲法尊重擁護義務は課せられていない。それは憲法が権力を縛るものであって、国民に義務を課すものではないからだ。自民党の憲法改正草案は国民に従えというもの。だから、国民に憲法擁護義務を課している」と指摘した。(編集担当:森高龍二)