中高生の「ネット依存」が社会問題となって久しい。13年には、厚生労働省の研究班の調査で、「ネット依存」の中学生が6%、高校生は9.4%との結果が出た。中高生全体に換算すると「51万人」。あれから2年が経つが、ネット依存≒スマホ依存はますます深刻化しているようだ。
MMD研究所が今年5月8日~5月9日、スマートフォンを所有する15歳~59歳の男女562人を対象に、「スマートフォンに依存していると思いますか?」と聞いたところ、「かなり依存している」が28.5%、「やや依存している」52%と合わせて、80.5%の人がスマートフォンに依存していると回答した(方法はウェブアンケート)。スマホを持つ人にインターネットで尋ねた調査なので、「依存度」が高く出るのは当たり前かもしれない。が、8割という数字はかなりの高さだ。
年代別で見てみると、「かなり依存している」「やや依存している」を合わせた割合が、10代は84.2%、20代が86.6%、30代が80%、40代が81.6%と、50代未満の年代の8割以上が「スマホ依存」の可能性があると回答した。「かなり依存している」割合が最も高いのは20代で、4割に達している。
スマホの「1日の中での利用頻度」を聞いたところ、全体を通して「よく利用する」「たまに利用する」の合計が最も多かったのは「帰宅してからベッドに入る前まで」(91.1%)だった。次いで「ベッドに入ってから寝るまで」(76.3%)、「職場もしくは学校の休憩時間」(68.3%)などとなっている。「通勤・通学中」の利用は約4割と、比較的少なかった。ほとんどのスマホユーザーが、学校や仕事が終わった後、(良い悪いは別にして)常にスマホが手放せない実態が浮かび上がる。
最近では、ネット依存がもたらす負の影響を緩和しようと、一定時間スマホやパソコンの電源を切り、ネットの世界から離れる「デジタルデトックス」なる行為も、少しずつ広がっている。しかし調査では、「デジタルデトックス」という言葉を「知っている」人はわずか8.9%、「名前は聞いたことがあるが意味はわからない」が13.3%と、「デジタルデトックス」を知っている人は5人に1人に過ぎなかった。(編集担当:北条かや)