交通事故などを未然に防止する自動ブレーキ機能など、ここのところ自動車の「自動化」が進行している。昔のテレビドラマで、人間の言葉を話しドライバーとコミュニケーションを取り、自動で運転を行ってくれる自動車が出てくるものがあったが、そう遠くない将来、それが夢物語ではない日が来るかもしれない、そんな気にさせられてしまう。もちろん、人間の言葉を話しドライバーとコミュニケーションをとることができる自動車の登場にはまだまだ時間がかかるだろうが、「自動運転を行ってくれる自動車」であれば、筆者が生きているうちに目にする可能性は十分にあるように思う。
そうした自動車の「自動化」が進むなか、ドイツの自動車大手のダイムラーが6日、アメリカのネバダ州から公道走行の認可を得て、自律走行型の大型トラックの運転実験を開始したとの発表を行った。併せて同日、ダイムラーはその自律走行型の大型トラックも公開。ダイムラーのトラック・バス部門のウォルフガンク・ベルンハルト代表が、ネバダ州ラスベガスから車で1時間ほどの距離にあるフーバーダムで、自動運転トラック「フレイトライナー・インスピレーション」を公開した。
ネバダ州から認可を得たのは2台の自律走行型の大型トラックで、ダイムラーによれば、こうして自動運転の大型トラックが公道で自動運転実験を行うのは世界初であるとのこと。ダイムラーは今後、公道での自動運転実験を続け、実用化に向けてデータの収集にあたるとしている。ただし公道での自動運転の際には、2台の大型トラックに搭載されたセンサーや走行制御装置などのスマートシステムを担当者がその場で監視し、必要が生じた際には運転を代われることが条件となっている。
ネバダ州ラスベガス周辺の高速道路で行われた行動での自動運転実験では、自動運転トラック「フレイトライナー・インスピレーション」にネバダ州知事とダイムラーの幹部が乗車。トラックに搭載されたカメラやレーダーにより、周囲の状況を確認しつつ自動でハンドル操作を行ったり、加速、減速を行うことができる。(編集担当:滝川幸平)