日産、自動ブレーキ搭載車種を拡大へ

2015年01月26日 09:03

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日産自動車が23日、自動ブレーキの採用車種を電気自動車(EV)や商用車などの車種にも拡大させるとの発表を行い、2015年度中に国内で発売している電気自動車や商用車も含むすべてのカテゴリーに搭載させるとした

 運転中に衝突の可能性が高いと判断した際に、自動的にブレーキがかかりドライバーを事故から守るのが「自動ブレーキ(エマージェンシーブレーキ)」だが、今やこの機能は自動車にとって欠かせないものとなりつつあり、多くの自動車で標準装備されている。もちろん、その機能に頼りっきりとなり、ドライバー自身の注意力が低下するようでは問題だが、しかしこの機能があることでこれまで発生していた多くの事故を、防げるようになるのではないだろうか?

 そうしたなか、日産自動車<7201>が23日、自動ブレーキの採用車種を電気自動車(EV)や商用車などの車種にも拡大させるとの発表を行い、2015年度中に国内で発売している電気自動車や商用車も含むすべてのカテゴリーに搭載させるとした。

 今、自動ブレーキは「スカイライン」「エクストレイル」「セレナ」「ノート」「デイズ」「デイズルークス」の6車種に搭載されており、そのうち「スカイライン」「エクストレイル」「ノート」の3車種は最高ランクであるJNCAP「先進安全車プラス(ASV+)」に選定されている。

 日産自動車は2020年までに自動運転技術の実用化を目指しており、今回の自動ブレーキ搭載車の拡大は、自動運転につながる要素技術である「カメラ認知技術」や「操作自動化技術」を活用し、これらの技術がもたらす安全性をドライバーに享受してもらうものであるとのこと。そして今後は自動ブレーキだけでなく、「アラウンドビューモニター」や「インテリジェントパーキングアシスト」「スマートルームミラー」といった技術についても、積極的に搭載車種を拡大していきたいとしている。

 また日産自動車は自動ブレーキの搭載車種を拡大させるとともに、販売店に専門知識を持つ社員や女性社員の配置を増やすことで、顧客の満足度を高め国内での販売増につなげたいとしている。

 若者の自動車離れなどにより国内の販売に落ち込みがみえる自動車販売だが、こうして新技術が搭載された車種が増えることで、販売に弾みがつくのではないだろうか。おそらくこうした取り込みはほかのメーカーでも行われていくことだろう。それが自動車業界全体にどのような影響を及ぼしていくのか、その動向を注視していきたい。(編集担当:滝川幸平)