スマートフォンからのインターネット利用者が、2015年冬にはPCを超える可性があるという。視聴行動分析サービスのニールセンは、スマートフォン視聴率情報Nielsen Mobile NetView(ニールセン・モバイル・ネットビュー)、および、PC版インターネット視聴率情報Nielsen NetView(ニールセン・ネットビュー)のデータをもとに、最新のインターネット利用動向を発表した。
それによると、スマートフォンからのインターネット利用者数は2015年4月時点で4,832万人となり、5,000万人に迫る規模に成長した。また、PCからのインターネット利用者数は同4月で5,100万人となり、2014年7月以降、横ばいに推移。一方で、スマートフォンからの利用者数は現在も継続的に増加していいるが、2014年度の増加率は19%となっており、2013年度の増加率41%と比較すると、そのスピードが鈍化していることが分かった。
性年代別では、2014年での若年層の増加率は低下し、代わって高年齢層での伸長率が高くなっていた。最も増加率が高かったのが「50代以上の女性」で57%増加(112万人増:2015年4月で309万人)、次いで「50代以上の男性」で32%増加(155万人増:2015年4月で646万人)となっていた。
次に、利用時間をみると、2015年4月にはPCから1日あたり54分インターネットが利用され、スマートフォンからは1日あたり1時間48分利用されていた。PCは前年同月比3分(5%)増とほぼ横ばい、スマートフォンでは8分(7%)増となった。
性年代別のスマートフォンからのインターネット利用時間では、「29歳以下の女性」が最も利用時間が長く、1日あたり2時間24分利用していた。次いで「30代の女性」の利用時間が長く、1時間52分となっていました。全体では、女性が男性よりも長く利用する傾向があることが分かるとしている。
最後に、カテゴリの利用状況に目を向けると、2014年にスマートフォンからの利用時間が最も増加したのは、動画や音楽、ゲームなどが含まれる「エンターテイメント」カテゴリ。2015年4月では前年同月と比べると月間3時間13分の増加となった。
特にゲームの利用時間の増加が、このカテゴリの増加の主要な要因となっています。またEmailやLINEなどが含まれる「コミュニケーション」カテゴリについても月間1時間16分の伸びとなっていた。
この結果について、同社のエグゼクティブアナリストの中村義哉氏は「スマートフォンは若年層への普及が一段落して高年齢層へと普及する段階なった。現在でも前月比1%ペースでは増加しており、このままのペースが続いていけば、今年の夏頃には5,000万人を超える規模に成長する。さらに、PCが5,100万人程度で横ばいに推移している状況を考えると、今年の冬頃には、スマートフォンからのネット利用者がPCからの利用者を超える可能性も考えられる」と述べている。(編集担当:慶尾六郎)