フィーチャーフォン(従来型携帯電話)、いわゆる「ガラケー」への回帰傾向が強まるなか、「しかしそれでも、やはりスマートフォン(多機能携帯電話)の普及率は高い」ということがうかがえる調査結果が総務省によって発表された。19日、総務省が2014年の「メディア利用時間と情報行動に関する調査報告書」を発表。それによれば、スマートフォンの利用率が全体の6割を占めることがわかった。さらに20代での利用率は94.1%、30代での利用率が82.2%と、若い世代では圧倒的にスマートフォンが利用されている現状が浮き彫りとなった。この調査は12年より東京大学との共同研究として開始され、今回で3回目となる。
利用率を年代別に見てみると、20代が94.1%、30代が82.2%、40代が72.9%、50代が48.6%となっている。全世代での利用率は62.0%であり、調査が開始された12年の32%からわずか2年でほぼ倍増したことになる。こうしたスマートフォンの利用率の増加に合わせて、スマートフォンを含むモバイル機器からのインターネット平均利用時間(平日)も上昇しており、12年には平均37.6分であったものが今回の調査では平均50.5分にまで伸びた。
そして「LINE」などのソーシャルメディアの利用率も上昇しており、全体で6割を超えた。年代別に見てみると、20代が95.0%、30代が82.6%、40代が70.3%、50代が45.9%とスマートフォンの利用率とほぼ比例しており、「スマートフォン=ソーシャルメディア」という構図が成り立っていることがわかる。ソーシャルメディアの平均利用時間(平日)は平均70.9分であり、前年の平均70.8分からわずかに増加。利用者率が21.8%から28.3%に微増したことが要因とみられている。
さらに利用傾向を年代別に見てみると、10代から30代の間ではメールの利用傾向が低下し、反対にソーシャルメディアの利用傾向が高まっている。やはりここでも、現代においてソーシャルメディアがいかに日常化しているかをうかがうことができる。筆者はあまりソーシャルメディアを活用してはいないが、今回の調査結果を見る限り、多くの人にとってスマートフォンは「ソーシャルメディアを活用するためのツール」という認識であり、それがスマートフォンの普及率を後押ししているのかもしれない。(編集担当:滝川幸平)