投資信託協会は11日、一般投資家が購入することのできる公募投資信託の2015年5月末時点での概況を発表。それによれば、5月末の国内公募投信全体の純資産総額は、前月末比3兆2938億円アップの102兆4574億円であり、12ヶ月連続で過去最高を更新することとなった。また初めて100兆円を突破した。設定額は9兆4222億円、解約額は7兆5572億円、償還額は226億円で、設定額から解約・償還額を差し引いた資金動向は、1兆8424億円の流入超になった。こうして流入超となるのは23ヶ月連続のこととなる。日経平均株価が約15年1ヶ月ぶりの高値を付けるなど、大幅に上昇したことが影響して株式市場での運用で資産が増えたほか、新規の投信購入も活発に推移し資金流入が解約を大きく上回った。
12ヶ月連続で純資産総額が増加した背景には、5月の株式相場上昇による運用益の拡大のほか、日本銀行の上場投資信託(ETF)買い入れなども寄与している。今回概要を発表した投資信託協会は、市場に先高観があり、預貯金からの流入が続いているとの見方を示している。
株式投信の純資産総額は、前月末比2兆6348億円アップの84兆4784億円で、これで11ヶ月連続で過去最高を更新することとなった。設定額は3兆8638億円、解約額は2兆6578億円、解約率は3.2%、償還額は226億円で、差引き1兆1834億円の資金純増となった。流入超は65ヶ月連続のこととなる。
公社債投信の純資産総額は、前月末比6590億円アップの17兆9790億円で、これで4ヶ月連続の増加となった。設定額は5兆5583億円、解約額は4兆8994億円、償還額は0円で、差引き6590億円の資金純増。流入超はこれで4ヶ月連続のこととなる。
内訳を見てみると、中期国債ファンドが271億円の純増、長期公社債投信が61億円の純減、フリーファイナンシャルファンドが1,074億円の純増、キャッシュリザーブファンドが583億円の純増、マネー・リザーブ・ファンド(MRF)が4968億円の純増、マネー・マネジメント・ファンド(MMF)が245億円の純減となった。(編集担当:滝川幸平)