介護サービス市場は団塊世代が75歳となる25年には1兆3,000億円に

2015年06月18日 08:24

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団塊の世代が75歳を迎える2025年には2014年度の約1.9倍の1兆3,000億円に迫る市場規模となり、なかでも、外出支援が60%弱を占めると予測した

 団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて、各地の地域課題に対応した「地域包括ケアシステム」の構築が急がれている。とりわけ地域支援事業の再構築等により、地域の実情に応じた介護予防、在宅生活継続のための支援体制の構築が求められている。地域支援事業とは、高齢者が要支援・要介護状態になることを防止するためのサービスや、要介護状態になった場合でも、できるだけ住み慣れた地域で自立した日常生活を営むことができるよう支援するための事業である。

 市場調査・コンサルティング会社のシード・プランニングは、このような社会背景をもとに、介護予防・生活支援サービス市場の最新の企業動向と市場動向を調査し、今後の地域包括ケアシステムを支えるサービス市場の現状を把握し、市場の将来展望を考察した。具体的には、「家計調査」や事業者へのヒアリング調査に基づき、高齢者世帯の1カ月の消費支出額や費目別構成比および各サービスマーケットの市場動向より利用世帯数を推定するなどによりサービス市場ごとの市場規模を推定した。

 この結果、市場規模については、団塊の世代が75歳を迎える2025年には2014年度の約1.9倍の1兆3,000億円に迫る市場規模となり、なかでも、外出支援が60%弱を占めると予測した。

 60~69歳の世帯では、元気な高齢者が多く、自身で運転や公共交通機関を利用しての移動、調理等も可能なことから、健康維持・増進を目的とした運動機能向上サービスの利用割合が他のサービスに比べて大きいという。

 70歳以上の世帯では、車を運転せずにタクシーなどで病院に行く高齢者が増え、買い物や調理が困難になることから、外出支援や在宅配食サービスの割合が大きくなる。2014年度における各サービスの市場規模は、「外出支援サービス」の割合が最も大きく約65%を占める。次いで「在宅配食サービス」、「緊急通報・見守りサービス」となり、サービス全体では6,800億円を超える市場と推計した。

 今後も、高齢者人口・高齢者世帯の増加に伴いサービス市場は拡大し、団塊の世代が75歳を迎える2025年には1兆3,000円に迫る市場となると予測した。(編集担当:慶尾六郎)