ソフトバンク「ペッパー」、販売開始1分で完売

2015年06月22日 07:42

 ソフトバンクが20日に一般向けに販売を開始した人型ロボット「Pepper(ペッパー)」が大きな反響を呼んでいる。マイクやセンサーを使って人の感情を読み取ることができ、さらには会話も可能ということもあって「大きな反響」があることはわかっていたが、販売が開始されるやいなや、予想を上回る反響により一気に完売となった。

 ソフトバンク<9984>は20日、同日午前10時に一般向けに販売を開始した人型ロボット「ペッパー」が、開始より1分で申し込み予定数に達して完売したとの発表を行った。申し込みは専用ウェブサイトで受け付けられており、6月の販売分は1000台であったが、ものの1分で「売り切れ」となった。次回の販売は7月以降の予定で、販売時期は7月中にウェブサイト上で公表される。

 「ペッパー」は電子機器の受託製造サービス(EMS)の世界最大手、鴻海精密工業が製造している。マイクやセンサーを使って人の感情を読み取り会話することができるという特長があり、当初の予定では2月中に一般販売が開始されるはずであった。しかし予想以上に強い引き合いがあり販売を延期していた。「ペッパー」は人の感情を読み取ることができるほか、人やニュースなどに接して自ら感情を表現することもでき、スマートフォン(多機能携帯電話)のようにアプリを追加することで用途や楽しみ方を拡大させることができる。本体価格は19万8000円(税抜き)で、そのほかに3年間支払う月々の基本料や保険料が必要となる。

 ソフトバンクは7月に再度販売を行うほか、ロボット人材派遣サービスも開始するとしている。また秋には専用アプリやサポートが付く企業向けモデルの販売も開始する。ロボット人材派遣サービスでは、「ペッパー」が時給1500円でティッシュ配りや店舗スタッフなどの業務を行う。同社は今後、量産体制を整えて、少なくとも月産1000台を目指すとしている。ただし「ペッパー」はパソコン並みの価格帯にこだわったことから、今のところ出荷すればするほど赤字になるという。しかし30年後には同社の中核事業の1つになる可能性があるとの考えから、積極的に事業を拡大していくとしている。そして量産効果などにより、5年程度での黒字化を目指す。(編集担当:滝川幸平)