アベノミクス効果も相まって日本における富裕層が拡大、その増加率が世界一となる中で、富裕層をターゲットにしたビジネスの重要性が急激に高まっている。こうした背景を踏まえ、電通<4324>とラグジュアリー雑誌を多数発行するハースト婦人画報社は、現代の富裕層女性の意識や行動をより深く洞察し理解することを目的に調査を実施した。
これは、世帯資産が1億円以上または世帯年収2,000万円以上を富裕層世帯と定義づけ、全国の富裕層世帯の女性約300人を対象に行った。
それによると、1カ月間で自由に支出する金額が一般女性の93.3%で5万円未満であるのに対し、富裕層女性の27.5%が20万円以上(上限なしと答えた16.8%を含む)を支出(一般女性で20万円以上支出するのは0.3%)している。資産運用に関心がある富裕層女性は61.5%(一般女性:25.5%)、実際に積極的に行っているのは35.0%(一般女性:7.2%)だった。資産運用の内容としては、富裕層女性の65.4%が国内株式投資に積極的(一般女性:6.3%)だった。
また、富裕層女性は一般女性よりもスポーツを積極的に行っていることがわかった。健康に配慮し、スポーツクラブやヨガ・ピラティス、また比較的金額がかかるゴルフなどのスポーツにも積極的だった。
さらに、富裕層女性は次世代への投資を積極的にしていきたいという志向があり、そのため子供の教育にも積極的。教育にもお金を惜しまず、私立に通わせたい(通いたい)、留学させたい(したい)といった意識が強いという。「教育にはお金を惜しまない」と回答した一般女性が45.0%であるのに対し、富裕層は74.8%だった。また、富裕層女性は美容関連の支出にも積極的(一般女性:22.3% 富裕層:44.3%)なことがわかった。
富裕層女性はつつましやかさ、奥ゆかしさに共感を覚える傾向があり、その影響として、海外文化よりも日本文化の方がより好き、という傾向が見られたという。(海外文化が好き:13.6%、日本文化が好き:54.0%)。この他、富裕層女性の特徴として、中長期的利益を意識する人が約半数(50.5%)を占めることや、肉食系男子を好む傾向が強い(草食系の約3倍)ことが分かった。
そして、これらの調査結果を分析した結果、日本の富裕層女性は「しっとり・大和撫子タイプ」「全力投球・人生謳歌タイプ」「ふんわり・守られタイプ」「ミーハー・キラキラタイプ」「無自覚・隠れタイプ」の5つに分類できることがわかった。(編集担当:慶尾六郎)