日本百貨店協会が19日、公表した4月の百貨店売上高は4722億円あまりで、2ヶ月ぶりに前年実績を上回った。前月(3月)は、その前年の「消費増税前の駆け込み需要」が大きく、売上高は前年と比べて大幅なマイナスとなっていた。一方で今年の4月は、前年が消費税率引き上げ直後の買い控えによる大幅減(-12%)だった反動もあり、前年比プラス13.7%と大幅増。「消費増税」という特殊要因を除いた一昨年と比べても+0.1%を確保しており、消費マインドが少しずつ回復している様子が伺える。
もちろん都市部では、旺盛なインバウンド消費の影響も大きい。特に三大都市圏の健闘が目立つ。東京は前年同月比+17.8%、名古屋では+20.1%、大阪も+18.3%と堅調だった。福岡も+14.9%、仙台でも+14.1と、前年同月比10%以上の伸びを示し、都市圏では広島を除く全地区で前年同月比2ケタ増を記録した。
外国人観光客や、富裕層の恩恵を受けにくい地方はどうか。ハンデはあるものの、地方百貨店も軒並み、前年比プラスを確保している。全国10都市以外のエリアでは、中国地方が前年同月比+12.3%と最も伸び幅が大きかった。九州地方も+11.4%、関東地方も+8.8%と、消費増税後の落ち込みからは脱却しつつあるようだ。
品目別でみると、ここ最近伸び悩んでいた主力の「衣料品」が前年同月比9.9%と、2ケタ増に迫る勢いだ。ブランドバッグや財布など「身のまわり品」も大幅増(同+19.2%)。他にも、免税対象となるため訪日観光客に人気の「化粧品」(+48.6%)、高級時計や宝石などの「美術・宝飾・貴金属」(+77.3%)などが好調だった。高級品の売れ行きが伸びているのは、訪日外国人による“爆買い”のほか、株高による国内消費マインドの改善もあるだろう。
訪日外国人による消費は、中国の「お盆」に当たる清明節や「花見ツアー」の増加を背景に、引き続き増加した。 4月の購買客数は初めて20万人を超え(前年同月比+206.6%)、売上高も過去最高の前年同月比+221.4%を記録するなど、インバウンド消費にますます拍車がかかっている。この活況は、しばらく続きそうだ。(編集担当:北条かや)