今年1月に発生した異物混入問題、あるいは去年に発生した中国の期限切れ加工肉問題の影もまだなお引きずり続けているのだろうか。ファストフードチェーンのマクドナルドの業績が、いっこうに上向く気配がない。マクドナルド側も5月に新商品の「ベジタブルチキンバーガー」を発売したり、マックフライポテトに代えてサラダも同一料金で選ぶことのできる「バリューセット」を開始するなど業績回復に向けて施策を行っているが、今のところその効果は現れているとは言い難い状況だ。
そうしたなか、日本マクドナルド<2702>は8日、6月の月次レポートを発表。それによれば、6月の既存店売上高は前年同月比23.4%ダウンという結果であり、これで17ヶ月連続でマイナスとなった。またマイナス幅は前月5月の22.2%ダウンから1.2ポイント拡大しており、マイナス幅の拡大はこれで2ヶ月連続のこととなる。
そのほか、開店後13ヶ月未満の店舗を含む全店売上高は前年同月比23.5%ダウンであり、こちらも5月の22.3%から1.2ポイント拡大した。既存店ベースの客数は前年同月比10.4%ダウンであり、これで26ヶ月連続のマイナス。客数のマイナス幅は5月の14.2%ダウンよりも縮小したものの、依然として、深刻な顧客離れに悩まされている現状がうかがえる。客単価も前年同月比14.5%ダウンであり、5月の9.3%ダウンよりも拡大し、これで12ヶ月連続でのマイナスとなった。
こうして今なお異物混入問題などの影響に悩まされ続けている日本マクドナルドだが、上記の5月に投入した新商品やサービスのほか、ホームページ上で材料の産地を公開したり、子供のいる母親を店舗の視察に招くなど、消費者の「食の安全」に対する信頼を回復させるための取り組みを行うことで、客数自体は改善傾向にあるとのこと。確かに、その傾向は今回のレポートからもうかがうことができる。しかし、業績そのものを上向かせるにはまだ至っていない。日本マクドナルドが本当の意味での復活を遂げるためには、まだまだ時間がかかりそうな気配だ。(編集担当:滝川幸平)