制度的壁あるなら、いくらでも取り除く 総理

2015年07月10日 10:30

 安倍晋三総理は9日、都内で開かれたジャパン・サミット2015の基調講演で、さきの総選挙で3分の2を上回る議席を連立与党で獲得できたとしたうえで、「ですから、これまで以上に成長戦略を加速する。日本の成長を阻んできた堅い岩盤のような規制や制度、慣習を一気に突き破る。私は国会を改革断行国会と名付け、様々な改革法案を提出している」と安倍政権の規制改革路線を強くアピールした。

 また、海外からの日本への企業進出を歓迎するとし「来春には、りんごのトレードマークが日本にやってきます。アップル社がアジアで初めての研究開発拠点を横浜でオープンします。私が政権をとってから海外から日本への投資は10倍以上に増えました。しかし、まだまだ足りません。企業実証特例、国家戦略特区、規制改革。道具はそろっています。制度的な壁があるなら、いくらでも取り除きます」と世界で企業が最も活動しやすい国づくりへ持論を展開。安倍総理は「政治のリーダーシップの下、スピード感を持って対応する」と呼びかけた。

 また、経済政策を強く訴える総理に対する会場ムードを察し「意外だという顔の方がたくさんおられますが、日本では、経済よりも安全保障の議論ばかりに明け暮れているのではないか、今そう思った方は、日本のマスコミのニュースをよく御覧になっている方だと思います。日本への関心を持って下さっていることに感謝申し上げます」と語り、安保法案に明け暮れていると思われているのではとの総理の意識も。

 安倍総理は講演で経済について「国会の審議は経済面においては順調に進んでいる」とし「60年独占が守られてきた電力やガス市場を自由化する、エネルギー市場改革法案は既に成立した。医療保険制度の改革法案も成立した。60年ぶりの農協改革も衆議院を無事通過し、参議院に舞台を移している」と紹介した。

 また安倍総理は「世界に目を向け、果敢に、激しい国際競争の荒波に打って出る。そうしたマインドを(経営において)この日本に根付かせることが、私の成長戦略の基本哲学」とし「多様で柔軟な働き方を可能とし、労働の質を高めていくことも必要。ITやロボット、新たな技術もどんどん活用していく」と労働法制の見直し実現にも改めて意欲を見せた。(編集担当:森高龍二)