つい先日も、NHK放送文化研究所が5年に一度行っている「日本人とテレビ」という意識調査により、1985年の開始以来テレビの視聴時間が初めて「長時間傾向」から「短時間傾向」に転じていることはわかり、スマートフォン(多機能携帯電話)やパソコンなど、娯楽の多様性により人々の間で「テレビ離れ」が進行している現状が浮き彫りとなった。しかし「テレビ離れ」を進行させている理由には、「娯楽の多様性」と関連してスマートフォンやパソコン上にアップされる「違法動画」の存在も挙げられる。恐らく、スマートフォンやパソコンを使用したことがある人であれば、一度はそうした「違法動画」の存在を目撃したことがあるのではないだろうか。そのくらい「違法動画」は今、ごく当然のようにインターネット上にアップされている。そしてその「違法動画」の存在が一部の人々に、「後でインターネットで動画を探して観ればいい」と思わせ、「テレビ離れ」がますます進行するという状況が生まれてしまっている。
そうしたインターネット上の「違法動画」を撲滅するために、そして視聴者の利便性を向上させるために、日本テレビ、テレビ朝日、TBSテレビ、テレビ東京、フジテレビの在京民放5社は16日、見逃したテレビ番組をインターネットで無料視聴することのできる動画配信サービス「TVer(ティーバー)」を10月より5社共同で開始するとの発表を行った。スマートフォンやパソコン、タブレット端末などで視聴が可能で、番組放送後から次回放送までの一週間程度、対象番組が広告付きで配信される。利用料金は無料。
各社はこれまでも、自社サイトで次回放送までの一週間程度を目安に無料配信を行っていたが、今回こうして共同の公式サービスを開始させることで視聴者の利便性を高めるとともに、「違法動画」の撲滅を目指したい考えだ。
各社は「TVer(ティーバー)」という名称には、「ユーザーの誰もが、場所や時間の制約から解放され、もっと自由に、もっと自分に合わせてテレビ番組を楽しめるようになる。そんな新しいスタイルでテレビを視聴する人たち(=TVer)が世の中にどんどん増え、テレビをこれまで以上に楽しんで頂きたい」という願いが込められているとしている。(編集担当:滝川幸平)