自民党と公明党が強行採決した15日の衆院安保特別委員会での安保法案。賛否の記名が議事録に残る『記名投票』でなく、起立採決が行われ、議事録に賛成議員、反対議員の個々の名前が残らない手法がとられていた。議事録には「起立多数」としか記載されない。
違憲法案との声があがる重要法案の採決が、なぜ起立採決なのか、委員会採決のやり方にも批判がある。
朝日新聞は「衆院での審議時間が100時間を超える法案が起立採決になったのは、近年では第1次安倍政権下で教育目標に『愛国心』を明記した教育基本法改正案の例(2006年11月)しかない」と報じた。
重要法案採決で国民への責任を明確にするなら、記名投票にすべきでなかったのか。強行、逃げ切り採決との批判もある。
愛国心を教育基本法に明記する法案のおりも、反対世論が多かった。なぜ愛国心をわざわざ明記する必要があるのかとの意見や「我が国と郷土を愛する態度を養う」(自民)との表現に「憲法の思想・信条の自由に反する」、「国が教育に介入するもの」との批判が相次いだ。そんな中、衆院教育基本法特別委員会(2006年11月15日)は野党が抗議欠席し、自民・公明が強行採決した。
ともに、憲法にかかわる重要案件で、野党が継続審議や審議がさらに必要として採決に反対、抗議するために欠席するなかで、強行採決が行われたわけだが、2件とも、安倍総理の下での与党によるものだった。自民党は街頭演説で批判を浴びれば、マスコミに取り上げられ、さらに、反対派に有利になるとみているのか、安保法案への支持を得る街頭演説は当分控えるもようだ。(編集担当:森高龍二)