映画界でも広がる安保法案反対の声

2015年07月20日 12:28

 「わたしたち映画人は戦争法案に反対します」と映画人らがアピールする政府の安保法案に対する反対への賛同をつのる映画人九条の会呼びかけの輪が広がっている。すでに400人を超えた。俳優では吉永小百合さん、大竹しのぶさん、野際陽子さん、倍賞千恵子さんらが呼び掛けに賛同している。

 呼びかけ人は山田洋次氏(映画監督)や高畑勲氏(アニメーション映画監督らで、「国際平和支援法案はアメリカ軍支援のための新たな恒久派兵法で、これまで『非戦闘地域』に限定していた自衛隊の『後方支援』の範囲を、アメリカ軍の『戦闘現場』隣接地域にまで拡大するもの」と訴えている。

 また、平和安全法制整備法案については「武力攻撃事態法や自衛隊法、周辺事態法、PKO協力法など10の法律を一つにまとめて改定するという乱暴なもので、武力行使の制限や戦闘地域に行かないことなどの歯止めをとりはずし、切れ目なく、あらゆる事態でアメリカ軍を支援するための法案で、いずれも平和とか安全という文言をちりばめていますが、中身はそれとは真逆で、憲法9条を全面的に破壊する最悪の法案であり、戦争法案そのもの」と危険性を訴えている。

 賛同される方のメッセージでは、学芸員の三好寛さんは「福島第一原発事故が起きたとき、息子に言われました。『こんなに危険なものなのに、どうしてお父さんは反対しなかったの?』原発の放射能という負の遺産を引き継ぐのは、息子のみならず、未来を生きる子供たちの世代です。この戦争法案が引き起こす戦争や殺戮という負の遺産を引き継ぐのも彼らです。そんな彼らに、もう二度と『どうして反対しなかったの?』と言わせたくありません。」と大人として次世代に責任を負うために反対の声をあげなくてはならないとの思いを発信している。

 また、映画監督の山本晋也さんは「法案を通し、いずれ、己を議員にしてくれた選挙民たちのもとから、若者を奪って、自責のない、冷血人間になる覚悟は本気なのか? どの紛争地域で戦いが起きようと、法案を通した議員諸氏は必ず後方の絶対安全な場所にいるはずだ。もし、安倍氏をはじめ与党議員全員が、安倍氏を先頭に銃を持って、助ける相手の敵に向っていくならまだしも、そんな覚悟はあるまい。その自己犠牲など皆無のくせに、法案通して無責任の極みだ! 与党議員が安倍氏を戦闘の先陣に立てて戦うのなら、どうぞ法案を通しなさい!」と反対の意を発信している。(編集担当:森高龍二)