矢野経済研究所では、世界の携帯電話サービスおよび端末市場に関する調査を実施した。それによると、世界における携帯電話サービスの契約数は 74 億 9,487 万 5,000 契約で、普及率は 103.5%に達したという
矢野経済研究所では、世界の携帯電話サービスおよび端末市場に関する調査を実施した。それによると、世界における携帯電話サービスの契約数は 74 億 9,487 万 5,000 契約で、普及率は 103.5%に達したという。
これまで BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)、北米市場が携帯電話サービスにおける新規契約の獲得を牽引してきたが、現在はそれらの市場に加え、ASEAN、中央アジア、中南米及び一部のアフリカ市場での増加が顕著であるとしている。
2015 年の世界の携帯電話サービス契約数は77億7,863万契約(世界人口に対する携帯電話普及率106.2%)が見込まれる。市場別では前年同様、アジア、北米、中南米が新規契約獲得を牽引するものの、中国、インドといった巨大市場における新規契約の伸びが鈍化傾向にあるという。
一方で、先進国に加え新興国でも都市部で第四世代携帯電話(4G)の商用サービスが開始され、データシェアプランに代表される複数端末を用途に応じて使い分ける形で、需要開拓が進む見通しである。また、中国や韓国など仮想通信事業者(MVNO)への回線卸しの拡大によって、市場が活性化する可能性があるとした。
2020年は87億6,924万契約(世界人口に対する携帯電話普及率113.6%)と予測した。今後は従来型サービスに加え、M2M(Machine to Machine:機器間通信)、IoT(Internet of Things)といった新たな用途開拓により市場拡大が図られていく見通しとしている。
2014 年の世界市場における携帯電話サービスの通信システム別内訳は、第二世代携帯電話サービス(2G)が 47 億 2,202 万 5,000 契約で最も多く、次いで第三世代(3G)で22億7,485 万契約、4Gで4億9,800万契約となっている。2015年の世界市場における通信システム別契約数は、2Gで39億6,563万契約、3Gで28億契約、4Gで10億1,300万契約が見込まれるという。
世界市場では依然として2Gの契約数が最も多いものの、3G・4Gの普及に伴い減少傾向にある。4Gは2014年に商用サービスが開始された中国での普及が進み、他の市場においてもスマートフォンの4G対応に合わせる形での増加を見込むとしている。(編集担当:慶尾六郎)