気象レーダの豪雨情報がスマホアプリに 30秒ごとの降雨分布を3Dアニメでリアルタイムに配信

2015年07月24日 08:29

 国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT)は、エムティーアイとの共同研究を通して、気象レーダの豪雨情報ヲスマホアプリに3Dアニメでリアルタイムに配信するという実証実験を開始した。7月21日から10月30日までの約3カ月間の予定で実施する。

 具体的には、NICTは、大阪大学吹田キャンパスに設置したフェーズドアレイ気象レーダで観測される3次元降雨データをリアルタイムに処理し、エムティーアイは、そのデータを利用するスマートフォンのアプリケーションを開発してデータ配信を行う。このスマホアプリ 「3D雨雲ウォッチ~フェーズドアレイレーダ~」 は、30秒ごとの3次元降雨分布をアニメーションで表示するほか、ユーザの現在地上空に溜まっている雨量を2~3分以内に通知することでゲリラ豪雨の早期検出の可能性を探る。

 これは、「フェーズドアレイ気象レーダ」の観測データを広く利用してもらいたいというNICTと、天気総合情報サイト「ライフレンジャー天気」を運営しているエムティーアイの、最先端技術のデータをモバイルコンテンツとして多くのユーザに届けたいとの意向が合致した。

 観測データのリアルタイム処理は、大阪大学とJGN-X回線で接続されたNICTサイエンスクラウド上で行われ、エムティーアイの配信用サーバからAndroid端末のアプリに送られる(iOSおよびApple Watchは8月以降対応予定)。

 アプリには、スマホで検出されるユーザの現在地(もしくはユーザが登録したMY地点)において10 km×10 km範囲内の上空に溜まる雨量がしきい値を超えた時にプッシュ通知によるお知らせが届き、その後の上空の雨量変化、WebGLを用いた過去10分間の3次元アニメーション(20フレーム)を表示することができる。

 今後は、今回の実証実験で得られる意見をもとに、さらに、アプリ機能、データ処理・配信手法などを改良して、ユーザにとって、精度の高い短時間降雨予測情報の提供を目指す。(編集担当:慶尾六郎)